ソーシャルグラフの奇跡 – Googleさえも終了したソーシャルグラフ

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まず始めに、ホッテントリメーカーを利用してタイトルの一部を付けました。
すいません。奇跡・・・。うん。ワークショップを実現できたことが奇跡・・。
奇跡は忘れてください。
主に他己紹介という行為によって生成されるソーシャルグラフの可能性について書いていきます。
長いエントリーです。

さて、先日他己紹介ワークショップ@ルービックハウス(池袋のコワーキングスペース)というものを開催させていただきました。
このエントリーは参加して頂いた方むけに振り返りをまとめると共に、以前から取り組んでいる「人が持つ多様な価値の可視化」について徒然と書いてみます。
ご都合がつかず、参加できなかった方にもある程度伝わるように説明したいと思います。

当日の様子はルービックハウスのページで以下のように紹介されていたりもします。
けっこう、会員さんも知らないんですよね。このイベントページのことを。

ルービックより

他己紹介ワークショップの中身

このワークショップはその名の通り、他己紹介をしあうワークショップです。
他己紹介とは「この方は○○△△という方です」と、他人から自分を紹介してもらうことです。
様々な交流会に出られている方は、アイスブレイクの一つとして実際に他己紹介を経験されたことがあるかもしれません。

では、そんな他己紹介をしあうことで何を体験するのかというと、「未知の窓を開く」ことです。

ジョハリスライドを映した写真ではわかりづらいので、ジョハリの4つの窓について、以下に掲示しました。

ジョハリの4窓

自分という人間は、自分も他者も知っている自分(開放の窓)、自分が知っているけれど他者は知らない自分(秘密の窓)、自分は知らないけれど他者が知っている自分(盲点の窓)、自分も他者も知らない自分(盲点の窓)で表現されるというものです。

また、他者に対して自己開示を行うと同時に、他者からの意見やアドバイスに耳を傾けることによって、潜在的な自己(未知の窓)を開くことができるという「対人関係における気づきのグラフモデル」になります。
これは、能力開発であったり、自己成長という文脈の中で紹介されることが多いかと思います。

誰しも、周囲の人から自分の振る舞いについてフィードバックをもらうことで、気づきを得ることがあると思います。
また、多くの方はたまに訪れる気づきの機会程度であろかと思います。

そうした気づきの機会を意図的に、しかも多人数の他者の目を利用して一斉に実施するということが、本ワークショップの醍醐味になります。

当日の具体的な他己紹介ワークショップの流れ

大きくは3部構成で行いました。

  1. 自己紹介 (一人3分)
  2. 他己紹介 (システムで入力)
  3. 振り返り (ソーシャルグラフで確認)

さて、このワークショップのミソは、他己紹介を口頭で行うのでなく、システムで入力して電子化するというところです。

具体的には、以下のような入力画面を用い、誰かに紹介をすることを想像しながら、紹介文章を入力します。

入力画面ぱっと見て、かなり入力項目が多いことが目に付くかと思います。
おおまかなカテゴリーで考えますと、

  1. 心理的距離
  2. 人物の特徴
  3. 人柄の紹介
  4. 能力の紹介
  5. 普段は口には出さないが、実は期待していること

ということになります。

最低でもこのぐらいの分類をしませんと、紹介が漠然としてしまい、何をどうやって紹介しようか迷うだろうという想定がありました。
そうした意味で、切り口として分類を用意しています。
また、せっかく電子データ化するのならば、できる限り標準化した枠組みの中でデータを集積したいという意図がありました。

もちろん、親しい間柄でも、易々と入力はできず、かなり負荷のかかる作業となります。
けれども、お互いに気づきを得る為にという目的のもと、10名を越える参加者さん全員で、黙々と入力作業をしていただきました。

余談ですが、このちょっとしたシステムは平日夜と週末を使った2週間で作成したものなので、UIなどは気にせず、とにかく動作するものを目指しました。
(ソーシャルグラフについてはD3.jsというものを利用していまして、勉強の軌跡はD3.js サンプル orgoShmorgo を読んでソーシャルグラフを考えるの巻き のとおりです )

そして、出来上がった他己紹介の図が以下のような人物相関図、つまりソーシャルグラフです。
私の相関図を例にしていますが、参加者のアイコンやお名前は承諾をいただいておりませんのでマスキングさせていただきました。

ソーシャルグラフオレンジで塗りつぶした箇所に紹介を入力していただいた方のアイコン、紫の四角部分には、それぞれの詳細な紹介コメントが表示されています。
また、お互いの心理的距離が近いとアイコンを繋ぐ線が多重化したり、アイコンの距離が近かったり、一言紹介の文字が大きくなったりしています。

なお、相関図はあくまでも直感的に他者から見えている人物像を捉えるという用途のものですので、詳細を見たい場合は、下記のような別の画面でみることになります。

紹介詳細m

参加していただいた方々の他己紹介ワークショップへの感想、KPT

当初から1時間半という時間内でこのワークショップを実施するのは厳しいだろうという想定がありました。
予想通り、時間を充分にとることができず、参加していただいた方々が振り返りやフィードバックをする十分な時間が確保できたとは思いません。
ただ、参加していただいた方には他己紹介ワークショップの魅力を体験していただけたのではないかと思っています。

個々に詳しくインタビューは出来ませんでしたが、ワークショップ後の雑談の中で耳にした声や私の反省などを少し紹介させていただきます。

ワークショップの Keep – 続けたいこと

親しさという項目に悩んだ・・

入力項目に「親しさ」という項目があるのですが、自分と相手の感覚にずれがあるのかどうか悩む方も多かったと思います。
互いがどういった紹介を入力をしたかは、画面を見ればすぐにわかります。
自分は親しいと思っているのに、相手は親しいと入力していなかったら気まずいな・・といったような想いが頭をよぎったのではないかと思います。
相手が自分との心理的距離をどの程度で捉えているのか、知るのがちょっと怖いという想いもあったかもしれません。

例えば、僕などは「とても親しい」という入力にはかなりためらいがあります。
改めて考えると、人との距離を置こうとするタイプなのだろうと思います。
こうした体験を通じて、自身が周囲の方と、普段からどういった距離感でおつきあいしているのかを考えるきっかけにできるかもしれません。

これはKeepしたいことです。

紹介しようと思ったら、意外と相手のことを知らないことに気がついた

コワーキングスペースの会員さんを中心としたワークショップで、何度も顔を合わせたり、会話をしたり、交流会でお酒を酌み交わしているのに、いざ、その方を紹介しようとすると、言葉が出て来なかったという感想を聞きました。
私自身も、皆さんを紹介しようとしながら、過去の記憶から、その方の人物像が浮かび上がるような表現や、具体例を探そうとしましたが、なかなか苦労しました。

プライベートで何度も遊んでいたり、共通のプロジェクトに参加して協業したりといった共有している経験が存在しないと、なかなかその方の人物像を捉えるとまではいかないのかもしれません。
そうした意味では、ただ会って、話しをして、お酒を酌み交わすだけでは、コミュニケーションしているようで、実は何もしていないのだという捉え方ができるのかもしれません。

こうした自身と周囲のコミュニケーション深度を改めて想起するという面白さがあったように思いますので、Keepしたいことかと思います。

ハッとする紹介文章があった

これは他己紹介における未知の窓を開くことができた典型的な気づきによる感想かと思います。
気づいていなかったのか、それともなんとなくは気にはなっていたのか、それはご本人にしかわからないことではありますが、紹介者から助言を頂いたともいえる事象だったように思います。

少し脱線しますが、個人事業主やフリーランス、またIT派遣者という属性の方は一般的な会社員のような組織に属していません。
故に、直接の上長が居らず(または現場に居ない)、故に時にはおせっかいとも思えるような先輩からの助言というものを聞く機会を持ちづらいのかもしれないと考えています。

例えば仕事の仕方であるとか、発言の仕方であるとか、考え方であるとか、一般的な会社組織に属していれば管理者から注意をされたり助言をもらったりすることがあると思います。
管理者としては、社内のリソースである部下の生産性や協調性を高めることで、自社の目標達成に貢献するという仕事が存在しますので、たとえ、本人が不服であろうとも指導する機会があるかと思います。
そうした機会が多くはないかもしれない、個人事業主やフリーランスという属性の方々にとっては未知の窓を開く為の一手法として他己紹介ワークショップが有効かもしれず、Keepしたいところではあります。

会話のとっかかりが増えた

子供の頃はお互いに遠慮なく気持ちや言葉をぶつけるが故に、相互理解の速度は速かったと思います。
けれど、社会人となって相手への気遣いや遠慮ということを覚えると、途端に人間関係を深めて行くことに時間がかかるようになったという方も多いのではないかと思います。

聞いてはいけないかもしれない、話題にしない方がいいかもしれない、相手は興味を持っていないかもしれない、といった心持ちでしょうか。

今回、自己紹介はあくまでも付随的なもので、他己紹介がメインではありました。
ですが、案外自己紹介が面白かったように思います。
ワークショップ終了後の懇親会でも、互いが自己紹介をした話題に言及した時間があったように思います。

自分にとっては関心事でも、他人は興味を持たないであろうと想い、普段は口にしないことというものがあるようです。
全員が全員親しいという集まりではなかったので、形式的に自己紹介の時間を設けたのですが、意外と良い時間であったと思い、Keepしたいことの一つとなりました。

ワークショップの Problem – 問題・課題

課題については、私が感じたことをメモ代わりに列挙します。

  1. 自己紹介の時間が短かった
  2. 自己紹介の内容例が悪かった
  3. 他己紹介の時間が極端に短かった
  4. 自由記述の入力負荷が想像はしていたもののの、非常に高負荷だった
  5. 各人が座りっぱなしであるというワークショップスタイルが自由な発想に繋がらない気がした
  6. 振り返りの時間が殆ど取れなかった
  7. ゲーム的な要素がなく、堅苦しいワークショップになった
  8. 自己紹介を入力する時間を別途用意するべきだった
  9. コミュニティに対する紹介を入力する時間を別途容易するべきだった
  10. 入力必須と、必須でない項目を明示するべきだった

ワークショップの Try – 改善

改善アイディアに付いても箇条書きにて列挙して終わりにします。

  1. 他己紹介の前に人狼ゲームを加えると、互いの人間性が見えたり、場の緊張が緩んだりしそうで面白いかもしれない
  2. 思い切って、1日完結でなく、初日は別のテーマやゲームを用いたワークショップで、二日目に他己紹介ワークショップとすることで、紹介データの品質を上げることができるかもしれない
  3. 他己紹介は振り返り後にもう一度行ってみたい
  4. 人数は6人程度が限界かもしれない
  5. ほめ会と併せてやってみてもいいかもしれない
  6. エゴグラムを導入したい(著作権がわからない・・)

他己紹介ワークショップによるソーシャルグラフが持つ可能性 – 真のソーシャルグラフ

さて、ここでワークショップの話題は一旦終わりにして、私が考える「リアルな」ソーシャルグラフの可能性について書いてみたいと思います。

ソーシャルグラフの終焉

可能性と書く一方で、既存のソーシャルグラフの終焉についてまずは書きたいと思います。

そもそもソーシャルグラフとは、Web上に公開された情報を用いて、人物の相関図を描いたものです。
SNSの台頭、拡大とともに、それらのデータを利用した新たな情報として注目を浴びました。

しかしながら、以下のGoogleのキーワードトレンドのグラフが示すように、2012年あたりをピークに、キーワードトレンドとしては、その後は右下がりで減少を続けています。

スクリーンショット 2015-06-30 2.52.40

実際、Googleは2008年に開始したオンライン上の交友関係を抽出するAPI「Social Graph API」を2012年に終了しています。

また、アメリカでは、人物検索サービスSpock.comというものがローンチされましたが、今は既に閉じられ、後継(?)のサービスが運営されています。

国内に目を向けると、「あの人検索スパイシー」というサービスがあります。
でいち早くソーシャルグラフを作成し、ローンチ当時、そのサービスを見た私をわくわくさせた
こちらは今も運営されています。

例えば、工藤静香さんを例に人物を検索すると、以下のような相関図を見ることができます。

spysee工藤静香出典:あの人検索スパイシー

ただ、スパイシーのページを見るとわかりますが、ページ内に非常に多くの広告が貼られていて、使われているサービス感というものをあまり感じません。
私の記憶に間違いが無ければ、ここ数年は目立った機能拡張などはしていないと思います。
まるで惰性で公開しているかのようにも見えます。

ついでに書くと、おニャン子世代でもある僕は、工藤静香さんのベストアルバムとかを持っていたりするのですが、この写真はいくらんでもひどすぎない?と、本件とは全く関係ないことを考えたりもします。
(ええと、別におニャン子ファンではありません)

全くの余談ですが、このスパイシーを運営するオーマ株式会社さんは、クラウドファンディングのREADYFORを運営していた会社でもあります。(現在、READYFORはREADYFOR株式会社が運営)

その他、Facebookなどでも一時期シェアされることの多かった、Klout Scoreというサービスがあります。
これは、SNS上の繋がりをスコア化するといったものですが、こちらも最近は目にすることが少なくなりました。

人と人の関係は複雑・多様で可視化するためのコストが高い – すなわち高価

これら、ソーシャルグラフの台頭と終焉とはなんだったのか。

実際には、ソーシャルグラフが利用されるシーンは今もあって、終焉という言葉は相応ではないかもしれません。
しかし、コンシューマー向けサービスとしては、ソーシャルグラフを用いたサービスは終了したと考えています。
少なくとも、Googleはサービスを終了しました。

なぜこのような状況となったのか。
私見としましては、インターネット上に公開された程度の表層的な情報をつなぎ、分析をしたところで、あまり有用な人間相関図がつくれなかったのだろうと思います。

人は多様性に満ちた、流行の言葉で言えば、ダイバーシティそのものです。

そして、その多様な存在と多様な存在の関係を表す情報が非常に複雑であることは容易に想像できます。
その複雑な情報がありのままにインターネット上に表現されているとは思えません。
他己紹介ワークショップを通じて改めて思いましたが、人間の相関関係情報を抽出し、それをデータ化する作業は非常にコストがかかります。

インターネット上では種々様々な情報が溢れていますが、それでもアトム(物理)の世界の情報に比すれば、氷山の一角どころか、1%にも満たない(勝手な肌感覚)のかもしれません。

『リアル』ソーシャルグラフデータの可能性 – 関係を構築するのは互いが認める価値が存在するから

他己紹介によって人物データが集積されて行くとしたら、それは様々な可能性と、とても高い価値を持ったデータベースが構築されると考えています。
また、他己紹介以外の手法であっても、現実世界で存在している人物間の結びつきをデータ化した「リアル」なソーシャルグラフデータには様々な活用が想像できます。

以降では、自分の頭の中にあるリアルなソーシャルグラフデータのアイディアと活用の可能性について共有させていただきます。

人物の価値可視化とその活用

実は2年前に、他己紹介システムのMVP(実用最小限の製品 Minimum Viable Product)を作成して公開しました。
このシステムを説明をする際には、相手がイメージしやすいように人の口コミサイトだという表現をよく使いました。
しかし、この表現は不正確で、誤りです。

人が人を紹介するシーンを思い浮かべてください。
だれか困っている友人や知人に、別の友人や知人を紹介する際、なぜ紹介ををするのか、その理由を伝えるかと思います。
それは紹介する人物の有益性を示すことであり、価値を伝えているのだと思います。
つまり、人物紹介とは、人の価値を可視化して伝えることです。

一方で口コミとはなんでしょうか。それは対象に対する主観的な評価であり、ポジティブな情報もネガティヴな情報も包含しています。

私は人の評価をするシステムを構築するつもりはなく、その人物が持つ価値のみを可視化すればよいと考えています。

これは、どんな人物も得意不得意がありますが、良好な人付き合いとはその人の良いところにスコープを当てて関係性を築くものだという想いがあるからです。

そもそも、人が人と関係を構築するのは何故でしょうか。
自分にとって全く価値を持たない人物とでも親しく関係性を維持して行くという人物がどれほど存在するでしょうか。

他己紹介システムは人の関係性を可視化すると同時に、人が持つ多様な価値を様々な角度から可視化するためのシステムです。

可視化

可視化された人物の情報が蓄積されると、それは人と人とのマッチングにおいて有益な参考情報として活用可能となると考えています。
転職・採用における人探しなのか、発注したい個人事業主探しなのか、カウンセラー探しなのか、はたまた結婚相手を探すのか。
通り一遍の履歴書や、自己紹介、セルフブランディング、エゴサーチだけでは映し出されないその人物の価値にリーチできるのではないかと考えています。

マッチング最近では「起業家イーロン・マスク氏が語る人材採用の基準 – ログミー」という記事内でイーロン・マスクの「才能より人格を重視する」といった考え方を紹介していますが、他己紹介をする周囲の人物が仕事関係だけでなく、趣味やプライベートな関係までを含むことができれば、多面的な人物像を瞬時に捉えるための参考情報となりうるのではないかと考えています。

人物の評価可視化とその活用

用途や情報の公開範囲を厳密に限定することができるならば、ソーシャルグラフデータを人物評価システムとしても転用しても良いとは思います。
360℃評価によって、社員の適正を捉えた組織作りに役立てることもできるかもしれません。

ability

組織内のコミュニケーションツールとして活用

また、企業によっては組織内のコミュニケーションを活性化するために、月間MVPなどの投票を定期的に行ったり、互いにサンキューレターを提示するといった施策をしている場合があります。
このような人物感で行われている通信をソーシャルグラフデータとして直感的に表現することも面白いかもしれません。

今月の投票

コミュニティの魅力の可視化

コミュニティの魅力の一つに、どのような人物が参加しているのかということが挙げられると思います。
人物相関情報と、コミュニティを紐づけることで、コミュニティの魅力を可視化することも可能ではないかと考えます。

コミュニティ近年は地域の繋がりが薄れ、核家族化が当たり前になるなど、旧来の地域コミュニティーが機能しづらくなっています。
地域コミュニティは地域コミュニティとして各所で再生を模索しているかと思います。
(余談ですが、最近テレビで紹介された子供食堂に感銘を受けました)

一方で、コワーキングスペースやシェアハウスなどのコミュニティーが、恐らく時代に合わせた代替手段として現れており、そうしたコミュニティーと人とのマッチングをより効率よく、最適化するといった活用の可能性を考えています。

個人信頼度の可視化

多くの方は、安心安全に暮らすことを望まれていると思います。
しかしながら、悪意を持った人間は一定数存在しており、そうした事実が人が人と出会うための環境づくりにブレーキをかけていることもあるだろうと考えています。

世の大半の方は、自分という人間を公に可視化されることを望まないと想像しています。
一方では、可視化されることを厭うことなく、逆に積極的に自己開示をされる方もいらっしゃいます。

全ての方が可視化される未来はかなり遠いと思いますが、他己紹介によって、人物(人格)の信頼度データを構築することも可能と考えています。

ソーシャルブランド

近年は個人がサービスを提供できるプラットフォームが多く出来ていますので、これらのサービスに対して、構築された個人信頼度情報を参考指標として情報提供するといった可能性を考えられます。

信頼度情報提供

コミュニティの信頼度の可視化と発信

特にNPOやNGOといった団体組織のブランディングツールとして、コミュニティとそこに参加する人々同士の他己紹介データを役立てるという可能性があるかと考えています。

ヒエラルキーの可視化

他己紹介データが集積されて行くと、いつの間にか、そこに人物相関の流れ、つまり人脈が可視化されるのではないかと考えています。
例えば、趣味の世界において、一般的には知られていないけれども、知る人ぞ知る人物が相関から浮かび上がってくることもあるかもしれません。

メンター

リアルソーシャルグラフの可能性についてのまとめ

存在したら面白いだろうなというデータの種類は様々あるように思います。
インターネットサービスの多くは結局のところ情報マッチングと言えるかと思います。
既存のサービスの中に、人やコミュニティの価値を可視化する情報が付加されれば、マッチングの効率化や最適化を行えたり、そのことにより人材の流動性を高める高価を出せるのではないかと想像しています。

一方で、そのデータを集積することは、本稿で度々触れたように容易なことではありません。
そもそも、現時点で、リアルなソーシャルグラフのデータを利用したサービスが目立って生まれていないことが、そのデータ集積の困難さを示していると思います。

誰かを誰かに紹介するという行為は世界中で行われているでしょうし、日々、膨大な量の、人物の価値情報が人からから人へ伝播されていると思います。
しかし、それはどこにも記録されず、音波による運動エネルギーは、生まれた直後に消失していきます。
この日々大量に失われていくデータをどのようにしたら電子データ化できるのだろうかというテーマはなかなかに歯ごたえがある課題です。

また、仮に人物の価値データを集積できたとしても、そのデータの正確性・鮮度・体系化・標準化・客観的な指数化、それぞれをどう担保して有用な情報として扱うのかといった課題が残ります。

そもそも、互いを紹介するという負荷の高い行為に対してどのようなインセンティブを提示していくのか、課題だらけではあります。

実際、この度の他己紹介ワークショップでは、参加者全員で総計15時間以上もの時間を掛けて情報を集積しました。
しかしながら、それらの人物紹介データでさえ、人のダイバーシティを表現するには充分ではないと思われました。

ですが、それだからこそ、人の価値を電子データ化し、可視化することの魅力に私は囚われているのだと思います。
困難と思われるからこそ、やりがいを感じる部分でもあります。

最後に本エントリーに興味を持っていただいた方へのメッセージ

ここまでお読み頂きありがとうございます。
もし、興味を持続して読んでいただけたとしたら、本当に嬉しく思います。
貴重なお時間をありがとうございました。

今後もリアルなソーシャルグラフデータ構築を求めること、人の多様な価値を可視化することを自身のライフワークとして活動していく所存です。

人の多様な価値を可視化することを何かしらの事業と結びつけ、持続可能なものとするためにマネタイズを行うことを目標としています。
しかしながら、現時点ではマネタイズは全く見えず、非常に遠いところにありますので、こればかりに注力するわけにもいかず、スピード感の無いまま活動を継続することになります。

とはいえ、今後こんなことができたらいいなぁという願いはありまして、興味を持っていただける内容があったり、ご協力をお願いできるようなことがあれば、ぜひご助力を賜りたいと考えております。

  1. プロトタイプを使った他己紹介ワークショップを何度も実施してみたい
    1. コミュニティに属する人々同士の他己紹介 (コミュニティが持つ魅力の見える化)
    2. コワーキングスペースとそこに所属する人々同士の他己紹介 (コワーキングスペースのリレーション可視化)
    3. 何かしらの志しを持った人物を中心とした他己紹介 (個人のブランディング試験)
    4. 自分を実験台とした他己紹介 (個人のブランディング試験)
    5. 専門性の高い業種内での他己紹介 (IT系・士業系)
  2. 利用可能(著作権フリー)なエゴグラムを知りたい。または、著作権者にコンタクトしたい
  3. 人の多様な価値の可視化というテーマとシナジーを持つ研究者(心理学・社会学・哲学)と出会いたい
  4. ワークショップの運営サポートをしてくれる人が欲しい
  5. ソーシャルグラフデータの仕様策定についての議論相手が欲しい。もっとブレストしたい
  6. UIデザイナーとソーシャルグラフのデザインについてブレストしたい
  7. UXデザイナーと機能についてブレストしたい
  8. SlideShareにアップしている資料を全て作り直すデザイナーと出会いたい
  9. このエントリーへのいいね!もしくはシェア

 最後に、何故、私がこのような人の可視化をしたいと考えているのかという点に興味を持っていただけたのであれば、「個人事業主文化祭2013」で登壇させて頂きました。も併せてご覧ください。
その他過去につくった他己紹介システム上でも拙いですが、いくつかの資料を見ることが出来ます。

以上です。誠にありがとうございました。

 

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