「優秀なエンジニア」とは何か「優秀な人材」とは何か – 「組織論、組織開発、チームビルディング、リーダー論」x 「10年超のシステム開発経験」x「11の組織就業体験」で考える

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ちょっとした用事から組織論の書籍を手に取りまして、1、2ページ読みましたら、ぐぐぐーっと、ひきこまれてしまい、この数ヶ月ずっと組織論だの組織開発だのという書籍の読書をしておりました。

きっかけは『現代組織論』だった気がします。
次に手に取った『組織論再入門 戦略実現に向けた人と組織のデザイン』もまた夢中で読み始め、いつの間にか人材アセスメント、モチベーション、リーダー論といった書籍に範囲を広げ、毎日わくわくして読み進めるようになりました。

読書中はずっとアハ体験に見舞われまして、
「あーわかる、わかるー\(^o^)/」
「なるほど確かにそうだのー( ´_ゝ`)」
とか、毎日アハアハしておりました。

もうずっと、アハアハ、アハアハで、アハアハで、ナハナハとえいばせんだみつお、生きててよかったといえばあいだみつを、生まれてごめんなさいは太宰治という感じです。

そんな読書体験を通して、いろいろと考えたいというか、アウトプットして自分ものとしたいことが幾つか出てきまして、その一つ、「優秀なエンジニアとは何者か」について考えたことをまとめたいと思います。
私自身の経験を通しても居ますので、Webエンジニアをイメージして書いています。

冬休みの1日にで終わるぐらいでの気持ちで気軽に始めたのですが、けっこう長くなってしまいました。
世間はトランプ米国大統領就任とか、暴徒化とかされてるみたいです。
米国どうなるんですかねー( ゜~゜)

これを読む方がアハアハ、ナハナハできるかわかりませんが、諸々の書籍も紹介しておりますので、タイトルが気になった方は読むとイイと思うヨ!
かどうかは保証しかねますがー。
(ユルイのはここまで)

エンジニアの優秀度を計測する仮設の図式化

2012年頃からアメリカ企業(アメリカ発祥のグローバル企業を含む)において、年次での人事評価を廃止する企業が増え続けている。ギャプ、アドビシステムズ、メドトロニック、マイクロソフト、カーギル、GE(ゼネラル・エレクトリック)、アクセンチュアなど、名だたる企業が年次評価の廃止に踏み切っている。2015年の時点でフォーチュン500の約10%が年次評価をすでに廃止したと言われており、その傾向は拡大の一途にある。

「人事評価はもういらない」より

私は驚いたのですが、錚々たる米国企業が年次評価を廃止しているそうで、日本でもHR系のサイトでは紹介されているようです。
特にGE(General Electric社)は組織開発の書籍の中で一番紹介される企業に思えます(自分調べ)。
GEではリーダー候補として評価されたものは、特にリーダーとしてのエリート教育を受け、一度ははHRや組織開発部門を学ぶといった取り組みを行う企業だと、『 入門 組織開発』 第3章 組織開発の進め方、では紹介されています。

歴史的に、米国と日本ではその民族性やコミュニティ形成の歴史の違いから、組織開発(OD)への取り組みが異なり、組織開発というものを知らずに米国の潮流をそのまま取り入れることは適切ではないかもしれません。
とはいえ、錚々たる米国企業の取り組みについては興味が湧きます。
また、組織論の書籍を開くと、成果主義でなく業績主義(しかも刹那的な)による人事評価や人事制度に警鐘を鳴らすといった文脈もたまに見かけますので年次評価について考察するのも興味深そうです。

と、年次評価の話題から始めてまいましたが、実は本投稿は年次評価のために「優秀なエンジニア」を論じようとするものではありません。

「採用」(正社員雇用、派遣、委託を問わず)の場面において、どのような軸で人材を評価すれば「優秀なエンジニア」かどうかを判断できるのか、または期待度が測れるのかを考察した内容をまとめています。
これは、私が「人の多様性、複雑性をそのままに可視化する」というテーマを持ち、それを可能とすることで「人材の流動化を加速させる」という目標を追っていることが背景の一つにあります。

それでは、まず概要を捉えていただくために、評価軸を明らかにするために優秀なエンジニアの要素を分解したツリー図というものを示します。
適切な表現ではないかもしれませんが、ここでは、この分解を便宜的に因数分解と呼びます。

なお図中の赤い吹き出しマークのものは、読書を通じて知った人材アセスメント手法や、調査による人材の分類を評価軸として採用した項目となります。
詳細は後ほどになりますが、「EQ」「4-Dシステム」「コスモポリタン」「仕事に対する指向性」「コミットメント」「衛生要因」といったものです。

また、図の中に、淡い赤色で囲んだ「役職適合」「局所知識」箇所がありますが、これは一般的な職務経歴書で確認されるであろう情報項目です。
人材マッチングの初期の段階、つまり面接面談の手前で人選する際には、これから述べる「優秀なエンジニア」として必要な評価項目のごく一部の情報しか頼りにしていないということを表現しようとしたものです。


次に、先に示した評価要素を式にして優秀度をスコアリングする仮設モデルを下に示します。
どの因数がどれほどの重みを持つかという概念を示すものになりますが、今のところは私の感覚的なものを式にしたというものです。
本来はもっと複雑なものですが、ざっくりとした概念だけ示しました。

どの因数も絶対評価が難しいものばかりで、数値化することがそもそも困難ですが、それでも今後スコアリングをしていきたいと考えています。

まだ整理がつかずに示せませんが、エンジニアのLTV算出式も考えたいものです。
人は学習や自己研鑽、自己改革によって変化しますし、組織との結合強度によって、双方の影響の強さが変わると思います。

「優秀なエンジニア」をスコアリングしたい欲求の背景

余談になってしまいますが、これは数年前より、「人を可視化すること」を自身のテーマとしているためでであったりもします。
ソーシャルIDを用いた他己紹介(360度フィードバック)によって、人物像を明らかにするというアイディアが始めにあり、以前にはプロトタイプを作成し、参加者の皆さんと相互に他己紹介をしあうというイベントを実施したこともありました。

ソーシャルグラフの奇跡 – Googleさえも終了したソーシャルグラフ

人を可視化しスコアリングするということは、スコアリングされる側にとっては、自身の内面をメスで解剖されていくようなことで不快かもしれませんし、「モノ扱い」されるような印象もあり、好まれない方も多いだろうと推測しています。
また、その解剖された、自身のデータが公になることも忌避感があるかと思います。

しかしながら、そうしたスコアリング情報が匿名で流通が可能であれば、有用性が生じると考えており、飛躍しますが、安心安全な世界づくりへとつながるのではないかという考えを有しています。
人の可視化というテーマは最後に改めて書くとして、以降、改めて本稿の背景や、「優秀なエンジニア」の定義について前置きを一旦はさみながら、詳細に移りたいと思います。

「優秀なエンジニア」の背景と文脈について (説明の序文)

『高業績を生む資質として、技術的熟練度、IQ、EQが 及ぼす影響を比率にしてみると、企業のどの階層においても、EQが他の資質の二倍もの影響を及ぼしていたのである。』

『EQを鍛える』第一章 EQが高業績リーダーをつくる より、心理学者 ダニエル・ゴールドマンの言葉

 

※本図は私の頭の中に浮かんだ図で、書籍『EQを鍛える』にこの図は存在しません。またおそらく誤った解釈と思われます。

「この言語が扱えるから」という職務経歴だけ見た採用はせず、「この人と一緒なら、どこまで高みを目指していけるだろう」という視点を持ちながら選考を進めていました。

「良いエンジニア」に来てもらうための“さらけ出し”戦略 – ZDNet Japan
竹内 真 さん (株式会社ビズリーチ 取締役 兼 インキュベーションカンパニー長 兼 チーフプロダクトオフィサー)署名の 2016年10月18日の記事より

本投稿に至る背景

これまでWeb開発のエンジニアとして、時には正社員として、時にはビジネスパートナーとして、幾つもの現場で働いてきました。
20代半ば頃から、「3年以上は同じ現場では就業しないという」ポリシーで働いてきたため、様々な組織の中で、メンバーや、リーダー、時にはマネージャー、ミドルとしての経験をさせてもらいました。

私自身がチームに参画するだけでなく、私と同様にチームに参画し、プロジェクトに適応していく様子に立会い、人によってはパフォーマンスを発揮し、人によっては採用側の期待値に届かなかったり、または自ら離脱したりという事例をいくつも眺めてきました。
当然、媒介としてのマッチングサービスにも触れてきました。

私が知っているWebエンジニア界隈という限定した範囲の話になりますが、より効率の良いマッチング、より企業の成果に結びつけるマッチングを目指して、人材マッチングのイノベーションの必要性を以前より感じています。
そのような中、書籍で得た知識や読書体験が、なんとなく経験から学んでいたことを言語化、構造化し、エンジニアを可視化するというアイディアにつながりました。

中でもEQ (心の知能指数) の書籍を手に取り、「あぁ、そういえば、昔、一時期流行した気がするなぁ」などと思いながら、目に止まった前述で引用した一文でがあります。
高業績の人間はEQの高さが重要な資質になっているというものですが、これが、私には強く印象に残りました。

そして、同じく先に引用したビズリーチさんの記事をふと思い起こしました。

単なる気のせいか、一時期、何かしら先進的な技術であったり新しい言語を導入していることに特に焦点を当てた企業のブランディング記事というものをよく目にしました。
成長を期待するエンジニアが集まりやすいとは思うのですが、そうした「弊社は新しい技術にチャレンジしています」といったブランディングが目立ち過ぎると、暗黙的に「とにかく技術力があるエンジニアを企業は求めている」という文脈が出現してしまう気がします。

もちろん技術職ですから、技術力が問われるのは当たり前ですが、それは必要条件であって、企業が求める要素としては十分条件ではないはずです。
しかし、採用市場の中で技術力が焦点となりすぎれば、それが企業の求める姿のように見えますし、「エンジニアは技術力さえあればいいのだ」というエンジニアが多く生まれてしまうのではないかと思ったりします。
自身の考えが絶対のものとは思いませんが、未来を担う若いエンジニア、これからエンジニアとなる人材が「エンジニアは技術力さえあればいいのだ」と考えるとしたら、それは本人の不幸を招くのではないかと想像します。
ギーク(卓越した技術を持つ者)と呼ばれるぐらいの技術力を身に着けていくことができれば別ですが、多くの場合では事業や企業への貢献度が給与の評価対象となるでしょうし、技術以外の面が未発達であれば、有用な人材として評価されないのではと考えます。

こうした想いと前述の体験が重なり、「優秀なエンジニアとは何者か」を考え、それをアウトプットしたいという動機の一つとなりました。

「優秀なエンジニア」の前提となる文脈について

今の企業は、工業化社会のシンプルなメンタルモデルと、ネットワーク社会の多様なメンタルモデルの間で、混乱しているように思います。何を目指すのか、白黒をはっきりさせて打ち出すことが難しくなっています。
一つ明らかなのは「俺についてこい」的なマネジメントやリーダーシップは通用しない、という点です。

『 組織を変える「仕掛け」』第一章 仕事をめぐる環境が、大きく変わった より

1980年代までのような、環境の変化が比較的小さく、製品やサービスの寿命が長く、大量生産が行われていた時代には、経営層や上司が指示を出し、社員や部下は指示に従って行動するという、上意下達のマネジメントが適していたと考えられます。
–中略–
このような変化や競争が大きい時代には、環境の変化や顧客のニーズに対応できるように、現場の社員が主体的に考え行動することが求められます。

『 入門 組織開発』 第1章 今、なぜ組織開発なのか より

本投稿で用いる「優秀なエンジニア」という言葉ですが、この投稿では社会にとって有用な人材であるかどうかという点を基軸として考察しています。

記憶に新しい、DeNAの医療情報サイト「WELQ」に端を発したキュレーションサイト閉鎖騒動からもわかるように、環境不適合を起こしている組織に対して向けられる、インターネットを介した世論の高まりや影響力は無視できるものではなく、そして今では珍しい事象でもなく、むしろ日常的な光景になりつつあります。
「WELQ」を運営する組織にはたくさんの「優秀」と呼ばれるような方がいたでしょうし、実際にアフィリエイト広告を介して順調に売上を伸ばし、優秀な結果を残してていたのだろうと思います。
それでも、結果、関連サイトを含め閉鎖という状況に追い込まれた結果を優秀とは呼ぶことは難しいかもしれません。

「SEOに長けた編集者として優秀」ではなく、企業にとって「優秀な編集者」が存在していたのなら、状況は違ったのかもしれません。
「優秀な編集者」であれば、福祉保健局などが問題視するような記事を量産することの危険性を悟り、上長に報告するなり、拉致があかなければ経営トップや会長に直談判するぐらいのことが出来ていたかもしれません。
それが役職のないメンバーとしての従業員だとしたら、実際にそのような経営者への直談判を行い、方針を転換させるだけのことが出来る人材はかなり希少な存在とは思いますが、仮にそれを実行し、DeNAのブランドを傷つけることを未然にふせぐことが出来たなら「優秀な人材」になったかもしれません。

組織論では、企業とそれを取りまく環境(社外の全て)をつなぐ境界に居る人材を境界担当者と捉える考え方があります。
境界担当者の働きは以下となります。

1. 外部のインパクトのなかから、何が組織にとって好ましくないかを判断して、その中から好ましいものだけを取り入れるような働き
2. 好ましくないもののが中に入るのを阻止する働き
3. たとえ入ってきても、その影響を緩和する働き
4. 逆に、組織を代表して、外部の関係者に支持を求め、また受け入れやすくする働き
5. さらに、場合によっては取引することもある

『現代組織論』より

キュレーションではありませんが、Web界隈では特に、小さな組織でB to Cシステム開発を行っている現場も多いかと思います。
B to CのWebシステムは企業と社会(外部環境)をつなぐという意味で、境界担当者と呼べるかもしれません。
そして上記の引用にはありませんでしたが、現在の境界担当者は外部環境に悪影響を与えてはいないように努める働きもあるだろうと思います。

もちろんB to Bのシステムでもクライアントという外部環境が存在します。
いずれにしても、境界担当者であるWebシステムを構築、そして社外へリリースするエンジニアが外部環境に無頓着であることは経営者にとっては死活問題へと発展することを経営者は意識すべき時代かもしれません。

ユーザーがどのような体験をしているか、システムが外部環境にどのような負荷を掛けているのかを真っ先に把握できるのは、現場から遠い経営者でないのは当然とし、事業部の責任者でも、マーケッターでも、ディレクターでも、カスタマーサポートでもなく、自らの手で構築し、リリースしているWebエンジニアでしょう。

また、組織論や組織開発、組織改革といった書籍を読みますと、「経営者が最適解を知っている時代は過ぎ、従業員各々が自律的に適応解を探す」時代であるといった論調が目につきます。
故に、既にあらゆるモノやサービスに溢れ、多様な環境に対峙する企業の一員として就業するのであれば、エンジニアといえど、ただ技術力があれば良いだけではありません。
外部環境と適合しない事象が生じているならばそれを的確に把握し、アラートを上げ、解消に導く働きができないとなりません。
また、時には経営判断に至るようなアイディアを現場から発信、事業成長に寄与することも期待されます。
これらの要件を満たすことができるエンジニアを「優秀なエンジニア」と、私は考えています。

また、それだけでなく、採用する企業の組織風土や事業との相性、結合強度や仕事に対する意識も重要な要素と考えています。

近年、技術の進歩や社会システムの発展により、個人の生活はエンパワーメントされたように思います。
原始の時代に比すれば、生存のために用いられる時間が減じ、安全性が高まり、個人の自由度が増し、故に多様なライフスタイルや価値観が生まれてきたように思います。
一方で、社会やコミュニティーとの接点が希薄でも生存可能となることで、自分だけよければ良いという考え方でも生活が可能になっているかもしれません。
故に、仕事に対する捉え方も多様化しています。

いくら能力が高くても、事業や組織に対する強いコミットメントがなければ、その能力を活かしてもらうことが期待できませんし、一人で作業するわけではありませんからチームの生産性向上に寄与することも「優秀なエンジニア」には求められる要素だと考えます。

このように要件を上げていくと、「優秀なエンジニア」の要素が多岐にわたっていて、まるで望み過ぎのような印象があるかもしれません。
ですが、現代企業の中で、加えてITサービスを企業の主軸としているならば、エンジニアとは外部環境との境界担当者としてのシステムを構築する人材であり、経営者に代わって、現場で適応解を自主的に見つける「目の役割」、変化のスピードが早い時代の中で、経営者が考えるよりも速く「反射的に対応する役割」が求められると考えています。
つまり、「優秀なエンジニア」とは事業や組織の成長エンジンであり、彼ら彼女らは過去の工業化社会における労働者のような製品を作るコストではなく、事業の源泉と捉えるべきだというのが私見となります。

また、こうした価値ある人材が、価値を見極める目の無い人物やサービスを通して流通し、当人が適切な評価と報酬を受けることができない構造があるとしたら、それは社会としての経済的損失につながっているだろうとも考えています。

ただ、誤解が無いように付け加えますが、人が必ず優秀でなければならないという考え方を私が持っているわけではありません。
企業や社会に優秀と認められるような人材を目指す方は目指せばよいし、興味がなければそれで良いと思っています。
ここで、考察する評価軸とは、主に企業が利用するもの、または転職などにより給与を上げたいであったりキャリアアップしていきたいといった方が参考になるような指標を想定しています。

それでは、以降、具体的な考察に移ります。

優秀なエンジニアの因数分解

再度、因数分解の図を示し、上層の分類から辿って説明を始めます。

 

 

普遍適正と局所適正、内部環境適合と知識・技術から考える優秀なエンジニア像

前述した、EQ(心の知能指数)には5つの指標があります。

・自己認識
・自己抑制
・意欲
・共感
・社会的能力

社会人として経験を積まれてきた方なら、「優秀な人材」を想像した場合、たしかに全て高いレベルで必要だと、直感的に理解される指標ではないでしょうか。
また、人によっては今更そんなことはわかっていると思われかと思いますが、これが数値化できるなら非常に魅力的な指標になるように思います。

さて、どれだけ技術レベルの高い人材でも、EQの指標の中でも特に自己認識や自己抑制に欠けると協働がしづらく、確かに個人としての能力は高いものの、組織やプロダクト、つまりは企業利益への貢献度は低いといった技術者も存在するような気がします。
逆にこの方は優秀だなぁという方は、特に意欲や社会的能力が高い印象がありますし、技術的にも貪欲だったという記憶があります。

Webシステムという限定で言えば、おおよその技術は構造化・体系化されたものであり、本人に一定の知能と意欲さえあれば習得可能なものばかりです。
そうした意味では、長期に雇用を考えているなら、知識・技術のレベルが低くても、EQが高ければ、いずれ成長するので、問題ないという考えが成立しそうに思えます。

このEQ、IQ、専門的なスキルという考えを出発点に、まず、専門的な評価と一般的な評価を分類することが必要と考えました。
しかし、しばらくマインドマップ上で項目を動かしたり、上掲した行動モデルを組み立てていくうち、優秀度を計算式で算出しようとすると、一般<>専門という区分は妥当ではないという考えに至りました。

人がパフォーマンスを発揮する要因となる指標を考えた際、環境によって、その評価値が大きく左右される項目と、されないものがあると考えました。
そこで、ビジネスパーソンとして普遍性を持つ適正と、就業する環境(職場環境、職務内容)との相性という考えの局所適正といった分類を試みました。

具体的には、自己認識能力などは、環境の変化を考慮せずに評価すべき事項として、普遍適正に、例えば、所属する組織の風土や文化と対象の人物との適合率(いわば相性)などは、局所適正として区分しました。

また、局所適正については、技術レベルと内部環境適合に分類していますが、これは、それぞれの評価点が足し算されるのでなく、掛け算になることを想定しています。

例えば、技術レベルが高くても、組織文化や風土との相性が悪いと、その衝突を解決するコスト負担や非合理的な人材活用のために、本来持っている知識や技術が効果的に発揮されないこともあるだろうというものです。
仮に100の成果を出せる潜在的能力があっても、参画した組織環境やマネージャーの力量によって80や70に減じてしまうという意味で、以下に引用したイラストで想像していただくとわかりやすいイメージでしょうか。
協働の現場においては、お互いの息が合い、タイミングが揃わなければ、最大の力を生み出すことはできません。
声をかけるリーダーシップが不在であったり、力の入れる方向があさってに向いてしまっては、それぞれの力を有効に活用することができなくなります。

また、本来的に意欲的で知識・技術レベルが高い人材でも、全く興味が湧かないシステムを保守しなければならないケースと、興味の対象となる技術を導入し、システム自体に好奇心を抱いているサービスの開発では、本人のモチベーションは全く異なり、生産性にも影響が見られるといったことも想定されます。

局所適正について

上述の計算式では、EQとIQのスコアが全体の60%となり、大変重要な評価軸となるのですが、これについては一旦後述するとして、まずは大別した局所的性について考えていきます。

内部環境適合と人、仕事、報酬

その仕事が自分に合うかどうかを判断する場合、ひとそれぞれの評価があるかと思いますが、ここでは大きく、職場環境、仕事、給与といった3つの軸を先に想像し、それをそれぞれ所属適合、職務適合、モチベーションという3つの分類に変化させて捉えることにしました。

本稿で分類した内部環境適合(造語)とは、つまりこのことで、採用された者が実際に業務を遂行する段になって、どれだけその組織環境に適合するのかという視点の因数分解となります。
この適合率が高ければ、保持している知識や技術の活用度が高くなるという仮設にもとづきます。

 

所属適合から観る優秀なエンジニアとは

職場環境(所属組織)の適合についての分類について述べていきます。

ここでは3つの指標を採用しています。

一つは、社会的コンテキスト(組織風土)です。
NASAでも実績があり、1000を超えるチームのアセスメントデータと自身のチームのアセスメント結果が比較可能という、4-Dシステムというものがあります。
詳細は後述しますが、例えば、リーダーが強い統率型の場合、チーム自体が統率型の風土に染まるため、統率型とは対極にある育成型の人間がメンバーとしてチームに参加すると、育成型のメンバーはその風土と衝突しがちになり、不満を抱えやすくなり、パフォーマンスに影響が出る可能性があるといった予測に役立つツールになります。
事前に現在のチーム状況を4-Dシステムでアセスメントしておき、そのうえで必要な人材像と適合するのかという指標を算出することを目的とした項目になります。

二つ目はコスモポリタン(準拠集団)の適合性を測るという考え方です。

グールドナー(Gouldner, 1957)によれば、とくに高度の知識や技術によって支えられた職業人では、コミットメントがどこに向かうかが問われることがある。多くは所属集団と準拠集団の分離という形で現れる。自分が実際所属しているいる、いわば肩書きに書き込んでいる集団と、自分が判断のよりどころととしている集団が重ならないのである。典型的には病院に勤務している医師であるが、勤務している病院にコミットするか、または出身の医局にコミットするかである。医局の背後にある学会や研究者仲間との親密な付き合いを重視する姿勢とも重なる。これはプロフェッションに一般的にみられる行動である。
前者がローカル、後者がコスモポリタンである。

『現代組織論』 より

例えば、金融業界の絶対的に安定を求められるITシステムと未上場のベンチャー企業が事業化ができるかどうかは二の次にリーンスタートしたto Cサービスでは、その設計思想が根本から異なるだけでなく、開発・運用時の方針、価値観や行動指針というものが全く異なります。

また一口にエンジニアといっても、業務システムとリーン開発、アジャイル開発などでの価値ヒエラルキーの違いだけでなく、アプリケーションエンジニアとインフラエンジニアでは、ミッションの違いから、システム開発で重要視する事項が異なり、つまりシステムに対する価値観が異なることも多々あります。
特に企業文化が未発達であったり、メンバーが多様なキャリアで構成されている場合、それぞれが異なる価値ヒエラルキーを持つことになります。
言ってみれば、メンバーごとに「常識が異なる」という混成チームです。

互いにその異なる価値観を開示しあい、チームとしての価値観や方向性を明確に見出して合意形成ができていれば、コスモポリタンの衝突は個人の内部で処理されますが、チームがコミュニケーション不全であると、開発や運用方針に関わる話題において、何か議題が挙がるたびに常に衝突が生じるということが生じます。
施策も一貫性が無いものになり、しばしば「声の大きい」人間の意見が採用されてしまうことがあります。
また、見出された価値ヒエラルキーがそもそも事業目的や企業のミッションと合致しているのかということも重要です。

採用者が非常に柔軟で、組織が重んじる価値ヒエラルキーに素早く順応できたり、多様な価値ヒエラルキーの現場を経験して多様性を受け入れられる人材であれば特に問題は無いと思われます。
しかしスペシャリストを自認するエンジニアの中には、自身が信じる価値ヒエラルキーが自身のアイデンティティーの拠り所となっている場合もあり、特に強いこだわりを持つが故に、組織の方向性と異なっていると極端にパフォーマンスが発揮されないということが起こりえるので、考慮すべき指標の一つと考えています。

その他、職能・職域やこれまでに所属してきた企業文化によっても、コスモポリタンとまでも言えなくても、その価値ヒエラルキー、行動規範が異なる場合があり、そのことが職能・職域の異なるチーム間の衝突の要因となることも多いでしょう。
後述しますが、不動産売買の営業職から、Webエンジニアとして職域を変化させた自身の経験から述べると、無意識下のパターン認識にまで落とし込まれた行動規範を、新たな行動規範で上書きし、自身を変化させていくということは非常に難しいものです。

3つめは、株式会社ヒューマンバリューによる仕事に対する指向性の話なのですが、こちらもまた後述したいともいます。

これらは、従属する組織に対してマインドセットが合致しているかどうかという指標になっていまして、それぞれ、認知指向の適合度、認識指向との適合度、協働指向との適合度(正確ではありませんが)、と分類できるのではないかと考えています。

社会的コンテキスト チームビルディング適正 4-Dシステム

残念ながら、多くの技術者はチームビルディングを重要視していない。
それどころか、チームビルディングと聞くだけでアレルギー反応を示しがちだ。総じて彼らはマイペースな職人タイプで、他人との触れ合いを最小限にとどめいたい傾向にある。

『NASAのチームビルディング』 序章 チームのパフォーマンスを上位2割にまで引き上げる方法 より

「赤信号皆で渡れば怖くない」とは、人が集団の中で同調行動をいかにとりやすいかということを見事に揶揄した言葉です(どうやらツービートが起源らしいですが・・)が、職場においてその組織風土、社会的なコンテキスト(文脈)が重要であることは誰しもご存知でしょう。

社会的コンテキストについて有名なものには割れ窓理論というものがあります。
「建物の窓が壊れているのを放置すると、誰も注意を払っていないという象徴になり、やがて他の窓もまもなく全て壊される」という考え方です。

こうした割れ窓理論は、開発現場でもしばしば起こります。
オープンでなかったり、ネガティブな社会的コンテキストに支配されたチームににおいては、重大な障害に見舞われ、その障害対応と復旧に対して高いコストを支払うようなことがあります。
そして、しばしば、その障害の要因となるような不具合やリスクといったものが、実は一部のメンバーには事前に認知されつつも組織や管理者に伝わることなくプロダクトがリリースされていたということがあります。

程度の差こそあれ、チームの風土が適切でないために、失敗や不具合が生じたという経験は、現場数の多い開発者にとってはさほど珍しいことではないかもしれません。
こうした現象は、宇宙開発で有名なあのNASAでも起きていることでした。

ここで、指標として用いることを検討している4-Dシステムについて簡単に説明します。
物理学者でもあるチャールズ・J・ペレリン氏が責任者を務め、NASAが17億ドルという巨額を投じたハッブル宇宙望遠鏡打ち上げ(1990年)において起きた重大な失敗から生まれたものです。
事故調査委員会によって、議会に提示された理由は「リーダーシップの欠如」であり、NASA側のチームが下請けに対して威圧的な態度で接していたことが起因となって、主鏡に重大な欠陥を生じたまま打ち上げを行ってしまったという事件でした。

この事件を契機に組織とリーダーの相関性を謎解くために、ペレリン氏は行動します。

NASAを辞した私は、コロラド大学で働き始めると、まずビジネス書を読み漁った。組織とリーダーの相関性をできるだけ簡略に導き出すために、物理学者として長年培った経験を生かせないかとあれこれ考えていたのである。そのほとんどは、ジャック・ウエルチ、ビル・ゲイツ、アンドリュー・グロープといった、カリスマ経営者の逸話が書かれたものだった。これらには、彼らの成功の秘訣がリストアップされていたが、個人の好みや経験則による秘訣は総じて抽象的かっ属人性に依存しており、受け入れにくい。理系的思考の私が欲していたのは、物理学で示されるような基本的な法則だった。何事もロジカルで単純明快なほうが、受け入れやすい。

第1章 コンテキストの理解と分析 より

たとえば、エンジニアを包丁に見立てて考えた場合、どれだけ切れ味の鋭い包丁でも、料理人(リーダーやチーム)の腕がわるければ、その良さを引き出すことはできないかもしれません。
リーダーの能力はもちろんのこと、リーダーが形作ったチーム状態や対処すべき環境の影響も無視できません。
また、チームのコンテキスト、別の言葉で言えば、雰囲気、常識、風土、といったものと、採用者のパーソナリティーの方向が良い意味で一致しているのかどうかを指標として捉えるべきと考えています。

※ちなみに、ここでは便宜上、エンジニアをモノに例えていますが、モノ扱いされることを極端に厭うエンジニアも多いので注意が必要です。多くのエンジニアは知的労働階級であることに誇りを持っているためです。

同書では、優秀な人材を埋もれさせる7つの致命的なミスについて書かれていてます。
これは調査したチーム中で、評価が下位20%となったチームが1つ以上犯しているミスとのことです。

1. 無能なリーダー
2. 予算不足による立ち往生
3. 発注ミス
4. きわめて劣悪なコンテクストに左右されているチーム
5. ほかの組織との主導権争いに腐心しているチーム
6. チーム・メンバーの性格と課されたタスクのミスマッチ
7. 組織構造の問題

第18章 優秀な人材を劣悪な環境に置くべからず より

上述のような状態のチームであれば、たとえ優秀な人材を採用しても宝の持ち腐れでしょう。
ただし、ペレリン氏の著書では、チームが支配されているコンテキストとは対称的なコンテキスト(リーダーシップの傾向)を持つ人材にリーダーを交代することで、チームのコンテキストを改善させることができるといった事例を挙げてもいます。

つまり、良いチーム状態の中に相性の良いエンジニアをメンバーとして送り込むという、一般的な考え方もあれば、チームが悪いコンテクストに支配されている状況の中で、そのコンテクストを改善するために、敢えて現在とは対称的なエンジニアをリーダーとして送り込み、状況を改善させるという考え方を指標とすることもできるでしょう。

それでは、そのチームが支配されるコンテクストとはどんな分類なのかということに興味が向きますが、ここでは4-Dシステムについて詳細に言及することが目的ではありませんので、軽く触れるだけにとどめます。
下に示す設問にご自身で回答いただき、自身のパーソナル・ファンデーション(直訳すれば「人格の基礎」)やリーダーシップを発揮する傾向をごらんいただきたいと思います。

なお、簡易的に強みとは対称的な苦手から、以下のように4つの分類を類推することもできます。

a. 縦割りの指示系統に馴染めない -> 緑=育成型
b. 他者との衝突が耐えられない -> 黄色=需 受容型
c. 対人関係が苦手 -> 青=先見型
d. 他人を持ち駒とみなしてしまう -> オレンジ=統率型

生来好む意思決定ツールを見出すテスト

好みの情報の得方を知るテスト

 

いかがでしょうか。
ご自身の特徴が表現されているでしょうか。

これは個人のパーソナリティの話ですが、チームも同様にこのパーソナリティー、つまりコンテキストのどれかに支配されていくと述べられています。
4つのどれが優れているといったものではなく、チームの目的やチームが抱えるプロジェクトの状態によってその適正が左右されるとペレリン氏は指摘しています。

例えば先進的な技術開発をチームが目指しているなら、青=先見型が適しています。
プロダクトがローンチ直前となり、これから機能を更に開発するのではなく、種々の課題を迅速に収束させてプロジェクトの完結が第一となれば、オレンジ=統率型が良いとなります。
短期のプロジェクト終了とともに解散するチームではなく、長期的に維持されていくチームであれば、緑=育成型が重要になります。

当然、チームのコンテキストと採用者のコンテキストがマッチすれば問題はありませんが、そこに衝突があると能力を発揮することに支障が出る可能性があります。
但し、パーソナル・ファンデーションあくまでも、基盤となる性質であり、訓練を積むことで、本来とは異なるパーソナリティーを発揮することが出来る述べられています。
たとえば、対人関係が苦手だという人材も、本人の意志と訓練により良好な対人関係を構築し維持することが可能というものです。

以上、簡単な4-Dシステムの簡単な説明でしたが、エンジニアの内部環境への適正を測ることにおいて、チームのコンテキストと採用者のパーソナリティの適合度を指標として採用するというものでした。

ここからは余談ですが、このチームビルディング手法に私個人が期待を寄せるのは、技術者集団であるNASAから生まれたということ、また、ペレリン氏自体が典型的なエンジニアタイプの人物だからでもあります。
また、認知特性を4つの次元で分類するこの方法が直感的に納得感が強いということもあります。
(ちなみに私は4-Dシステムで測れば知覚より直感を頼りにするタイプです)

その他デイビッド・C・マクレランドが提唱したモチベーション理論には、3つのパワー(達成動機、権力動機、親和動機)というものがありますが、この考え方を内包しつつ、発展させているようにも思われましたし、ギャラップ・オーガニゼーション(米国の代表的な世論調査期間)の調査結果との親和性、なにより豊富な調査による研究結果ということが魅力です。

いずれにしても、チームの状態、雰囲気、常識、風土、ひいては企業としての社会的コンテキストと採用者のパーソナリティーの関係もまた、高い業績を期待するうえでは重要となり、一つの指標として捉えたいと考えます。

仕事に対する7つの指向性と優秀にエンジニア

社会が豊かになったのか、それとも淘汰圧が低くなったからなのか、インターネットによって様々な情報が溢れたためか、はたまたゆとり教育のためなのか。
どのような事情かは私にはわかりかねますが、いずれにしても現代人の労働に対する指向性は一昔前と異なってきたようです。

書籍「学習する組織」によると、2004年に株式会社ヒューマンバリューでは「エンゲージメント・サーベイ」と呼ぶ、働く個人と組織の新しい結びつき方をあきらかにするための調査を試みたそうです。
その中で、「個人の仕事に対する対する指向性」を調査したところ、7つの尺度が明らかになったということですが、そのうち3つは既存の枠組みには無い尺度だと述べています。

具体的には、以下の7つです。
既存の枠組みでは明らかになっていなかったというものには★印を付けました。

チェンジシーカー(Change Seeker)=変化創造指向★
常にダイナミックな変化を実感し続けることを求め、自分自身や仕事の対象、環境に対して、自らがその変化を創造しようとする傾向をいいます。

コマンダー(Commander)=指揮管理指向
自分が意思決定を下し、人々をまとめあげることで、広い影響範囲を持つことを求める傾向をいいます。

スペシャリスト(Specialist)=分野固定指向
同じ分野や明確な基準の中で継続的に仕事に取り組みづづけることによって、自分の価値を高めようとする傾向をいいます。

ノーマッド(Normad)=自由奔放指向★
強制や規制に縛られず、自分で決めて、自分で責任を取りながら、自由にマイペースに働くことを求める傾向をいいます。

バランサー(Balancer)=マルチ指向★
仕事でやりがいを求めるとともに、仕事以外の分野にも力を注ぎ、自分らしさや充実感を得ることを求める傾向をいいます。

コントリビューター(Contributer)=奉仕指向
地位や収入が伴わなくても、仕事を通して社会や周囲の人々に役立ち、奉仕することを求める 傾向をいいます

マイスター(Meister)=匠指向
自分の専門知識や技能を誰よりも高め、卓越した成果を生み出し続けることを求める傾向をいいます。

『 組織を変える「仕掛け」』 正解なき時代のリーダーシップとは より

私の親世代がちょうど第一次ベビーブーム世代であり、高度経済成長期と共に歩んで来た方々なのですが、そうした時代と比べ、今は労働についての価値観は様々であり、その指向性を把握していないと、そもそも組織としてはあまり期待してはいけない指向も存在するだろうとの思いで、この指向性も因数に加えることにしました。

例えば、長期雇用を見据えているにも関わらず、自由奔放指向が強いようであれば、あまり組織へのコミットメントを期待できないかもしれません。
私にはフリーランスの友人知人がいますが、ノーマッドと思われる方を簡単に思い浮かべることができますので、雇用というよりもアウトソーシングのパートナーとしてマッチするタイプだと想像しています。

また、エンジニアには分野固定指向が多いように思いますが、匠指向との違いを明確に判断することが重要と感じます。
マイスターの指向は、成果(外側へのアウトプット)を求めるのに対して、スペシャリストは自身への蓄積(内部へのインプット)を求める傾向にあるように思います。
これは例えれば、筋トレする目的が、自身の肉体美のためなのか、何かしらの競技の成績を上げるためなのかという違いにも似ているかもしれません。
(ボディビルディングも立派な競技ではありますが)

いずれにしても、スペシャリストの関心は自己へ向かう傾向があり、協働性については注意し、マネージャーが適切にリーディングできる組織環境がないと、せっかくの人材を活用できない可能性を否定できません。
もし、採用を検討する人材がスペシャリストかマイスターであるか判別がつきづらい時は、自身が身につけた専門知識や技術を他のメンバーとシェアできる人材かどうかを軸に判断すると良いかもしれません。

優秀なエンジニアと職務適合の関係
職務適合は採用者が実際に就業する職務への適合を意図していますが、主に非構造化された知見の適合という視点で捉えています。
例えば、書籍でもWebでも良いですが、知識が構造化、体系化されており自学習が可能な知識とは別に、経験を通して暗黙知として体得していく非構造化された知識というものが存在します。
中には、書籍などを読むことでより深く理解を得るものもあれば、やはり体験を通してでしか深く理解できないものがると考えています。
ここでは、職能・職域による適合と、役職による適合について考えていきます。
職能・職域適合と優秀なエンジニア

非エンジニアの方の中にはエンジニアとのコミュニケーションがうまくいかないと感じられる方もいらっしゃるかもしれません。
実は過去の私自身がそのうちの一人でした。

私の社会人としてのキャリアはエンジニアからではなく、販売や営業という職種から始まりました。
ある時期は、個人の方を主として、5000万円から6000万円台をメインに新築一戸建てを仲介する営業をしていたりもしました。

30代からIT業界に転職するのですが、その際は人と話す経験がそれなりにあったので、当初はWebディレクターとして仕事を始めます。

非エンジニアの方ですと、以下のような会話をして苦々しく思った経験が無いでしょうか。

非エンジニア:
「○○という企画がありまして、☓☓といった機能を追加したいのですが」
エンジニア:
「出来ません」

非エンジニア:
「○○の機能の☓☓の箇所ですが、なんか変じゃないですか?」
エンジニア:
「仕様です」

上記は少し誇張し過ぎかもしれませんが、Webディレクターになった当時は、よくこのような会話をしたのを覚えています。
私が経験した営業職では、常に顧客の意欲を削がないことが大切で、故にポジティブな返答を心がけ、顧客がネガティブに受け取った事象でも、違った確度から切り返し、ポジティブな情報へと変換する努力をしていました。
「まずは出来ますと答える」というような文化の中にいましたので、いきなり「出来ません」と回答するエンジニアの発言に軽い苛立ちを覚えたりもしました。

その後、エンジニアへとキェリアチェンジしていくのですが、しばらく営業マインドとでも呼ぶべき自身のマインドセットに苦しむことになります。
気易く「出来る・やります」と回答してしまい、後から納期に苦しむということを度々経験するようになります。
次第にエンジニアとしての価値観を形成するようになると、「なるほど、出来ませんということはこういうことか」と、納得するようになります。

「出来る」「出来ない」を不用意に回答してしまうと、実は出来なかったであったり、想定した見積もりを越えた工数がかかり、結果として自分の首を締めてしまうということがしばしば起こります。
ですので、慎重に回答したり、「まずは調査します」と答えてみたり、複雑な事情を説明したり理解してもらうことに労力が非常に掛かるので、「出来ません」と答えたりすることがあります。

脱線がいくぶん過ぎたかもしれませんが、このように元々はエンジニアとのコミュニケーションに対して不満を持っていた経験を持つ私は、コミュニケーションに不満を持つ人に対して共感を示すことが出来ますし、エンジニアの言い分にも共感することができます。
そうして、非エンジニアとエンジニアをつなぐコネクターとして、または翻訳者として価値を発揮することで総体としての生産性や品質の向上に貢献してきた場面が幾度もあったようにように思います。
こうした観点により、異なる職能・職域を経験したことがあることを一つの評価軸として捉えたいと思います。

また、先に述べたように境界担当者を構築する人材でもあり、「優秀なエンジニア」を求めるならば、システムが周囲に与える影響を事前に察知できる能力が必要です。
こうした察知する能力は、顧客対応を行うことでクレーム処理や、厳しい交渉、センシティブな状況を乗り越えるといった経験を積むことで養われるものと思います。
ただ、多くの時間をパソコンの前で過ごすエンジニアという職種では、もともと察知能力がプライベートの生活で養われていたり、気質的に察知が得意でもなければ、普段の就業から能力が伸びていくこと期待できないかもしれません。
更にこの察知能力は、外部環境への影響にとどまらず、要件定義やヒアリング、課題分析といった場面でも活用されるものでもあります。
営業以外の職種でも、販売やカスタマーサービスの経験があれば、顧客視点を期待できるでしょう。
システムが対象とするユーザーに対して相性の良い職種を経験していれば大いにその経験が活かされる可能性があります。
例えば、経理といった職種であれば、経理システムはもちろんのこと、システム内の売上の扱いなどといった機能の要件定義やヒアリングを効率よく行えるでしょう。
MRや医療事務を経験していれば、医療系のシステムに対しての期待度が高まります。

エンジニアとはしばしば個業化しやすい職種ではありますが、組織活動の一員である以上、協働が必要です。
ステークホルダーとのコミュニケーションや説明責任を負うシーンは上流工程の品質を左右することもしばしばあり、総体としてのコストに多大な影響を与えます。
そうした組織活動においても、異なる職能・職域を経験してきたことが、異なる幾つもの視点で状況を捉える能力を養い、組織活動への理解を深め、問題解決能力を期待できると考えます。

言うなれば、富士山を西から見たり、東から見たりした経験が、北から見えた場合や南から見えた場合はどうだろうかという視点の移動をしやすくなるだろうということです。
共感能力が高い方は元から周囲を察知する能力が高いように思いますが、特に顧客対応を行う販売や営業職などを経験してからエンジニアとなった方もやはり総じて、協働性の高さを感じます。

職務が非常に限定的で、組織との関わりも薄いのであれば、考慮の必要は少ないかもしれませんが、長期雇用となれば、考慮するべき指標の一つと思います。

役職適合と優秀なエンジニア

前述の職能・職域適合が、職務に対する水平の視点移動とするならば、役職適合は組織ヒエラルキーにおける垂直の視点移動の経験を考慮するという考え方です。

最近はフラットな構造の組織も注目されていますが、一般的には職能性または事業部制、もしくはマトリックスとして組織デザインされているだろうと思います。

メンバーから役職があがり、一人でも部下もしくは管理すべき人材を持てば、視点は高くなり、これまで見えなかったことが見えたり意識が向くようになります。
上位の役職にいけば行くほど、視界は広がりますし、入手する情報が多くなり、それまでに見聞きすることができなかった情報を取得できます。

マネージャーを経験したからといって、優れたマネージャーであるかは判断できませんが、マネージャーを経験したことのあるメンバーは視野が広がりやすく、マネージャーの視界を同時に見てくれることが多いので、管理するマネージャーからすると重宝するメンバーとなることが多いように思います。
マネージャーの視点を先読みして、予めタスクをこなしてくれたり、協働してくれることもあろうかと思います。

私自身を例にしますと、社会人2年目で店舗の責任者となり、社員4名とアルバイト30名ほどの従業員管理を行っていた経験があります。
そして多くの失敗と過ちをおかし、私自身の対応のまずさから、無言電話を一週間受けるといった経験などもしました。
従業員のモチベーションやオペレーション品質の管理に苦労しましたし、若さゆえに視野が狭く、自分自身の管理も見失って、燃え尽き症候群となって退職するといった結末を経験しました。

この経験により、しばらくは管理職やリーダー職を避ける時期もあったのですが、管理者の考えが理解できるようになったと思いますし、相手の視点でコミュニケーションができるということで、扱いやすいメンバーであったのではないかと思います。

この評価軸については一般的なものと思いますので、この辺で終わります。

モチベーション適合と優秀なエンジニア

内部環境適合の最後の要素、因数はモチベーション適合です。
これは、業務内容との相性を考慮する項目です。

どれだけ能力が高い人物であっても、業務への関心が薄く「やる気」が少なかったり、逆に就業環境が劣悪なためにやる気を失うようなことがあれば、宝の持ち腐れでしかありません。

またどのような環境でもモチベーションを高く維持できる人材は、周囲をエンパワーメントし、協働によるチーム総体の生産性向上に寄与すると個人の経験から思うところであります。

現代組織論(第12章人的資源管理)によると、
モチベーション理論には、大別して2つの理論があると言います。
一つは欲求説(または内容説)、もう一つは課程説(文脈説または選択説)ということです。
さらに分類すると、以下のようになるとのことです。

1. 欲求階層モデル
2. 二要因説
3. 公平説
4. 強化説
5. 期待説
6. 内発的動機づけ
7. 目標設定

また、野村総合研究所による「モチベーション企業の研究」においては、モチベーション再生の戦略フレーム「VOICE」というものを提唱しており、大変興味深く現代的と感じられる研究結果が記されています。
その他、組織における人材の捉え方として、「経済人モデル、社会人モデル」という捉え方や、「マクレガーのX理論・Y理論」、「ハックマン=オルダムの職務特性理論」などさまさまな解釈があります。

ただ、本「優秀なエンジニア」の因数分解としては、これもまた一般的な動機の分類である内発的動機と外発的動機に分解し、また、マイナス要因となる衛生環境に対するストレス耐性を指標として採用したいと考えています。

内発的動機 – カッツェンバックの起業家精神とMVP

ジョン・R. カッツェンバックはマッキンゼーで30年以上ディレクターを務めた後に独立したというコンサルタントですが、その著書『コミットメント経営―高業績社員の育て方』において、コミットメントの5つのバランス・パスというものを揚げています。

本書ではいくつかの企業を詳しく紹介するが、その社員が優れた成果を上げている背景には、必ず五つの方法のいずれかがある。それらを、 会社または個人の「業績」と「社員の充足感」のバランスを取ることーっまり、選んだ方法に従って卓越した成果を上げる ことで、企業と社員の両方が恩恵を受けることーの重要性に鑑みて、「バランス・パス (方法、道のり)」と名づけることにする。「 バランス」という表現には、同時に両方を追求する、 どちらかを犠牲にするようなことはしない、という意味が込められている。どのパスも社員の熱意を高めて高い成果を引き出すことを目的にしているが、それぞれのアプローチには明確な違いかある。もちろん、重複や類似点が皆無ではない。だが、重点の置き方や価値提案には個々の特徴があるのだ。

1 ミッション(使命)、価値観、誇り(MVP)
2 業務プロセスと評価尺度
3 起業家精神
4 個人による達成
5 認知と賞賛

この中で注目した一つは、起業家精神というコミットメントの分類です。

先に述べたように、現代社会では自律的な従業員が求められる傾向にあるわけですが、起業家精神とはまさにそうした指向性であって、当人の思考プロセスや能力が伴っていれば、特に指示がなくとも、また環境が整っていなくても、自ずと行動を起こすものですから、重要な指標と考えます。
ただ、独立心が強く組織への依存度が低いので、自由度の不足や評価の不足を感じると離職する可能性も高いと思われますので、企業側の環境づくりが重要になろうかと思います。

また、この中でも私が特に注目したのは、MVPです。
これは、ミッション、バリュー、プライドという指標で、高業績に繋がる強いコミットメントと思われました。

起業家、それも社会起業家の中には事業を自身の使命と表現される方がいらっしゃいます。
使命とは文字通り、自分の命を使うもの、生涯をそれに賭してもいいと思われるようなコミットメントの状態だと思います。
使命という言葉を用いる方々の目的や目標が真に社会にとって善であるかどうかの議論はここでは脇において、仮に真に社会や人々のために使命を感じて行動しているとするなら、一般的というより稀な例ですし、仏教の十界で考えれば菩薩界にあたるだろう高次な状態といえます。

子供の頃に読んだ偉人伝上の人物の名で示すなら、ガンジーや野口英世といったところでしょうか。

また、『組織論再入門』第一部ミクロ組織論第一章リーダーシップの新潮流では、伊勢湾台風の多大な被害に対して計画され、日本を台風から守るための富士山レーダーについて大成建設の伊藤庄助氏の例をMVPの例としてあげています。
これは、1964年(昭和39年)に設置されるのですが、非常な困難を伴った過酷な現場だったようです。
伊藤氏との言葉として「それを見るたびに『おい、あれはオレが作ったのだ』といえる。子供や孫に、そう伝えることができるのだ」という言葉が紹介されています。
これが、困難なミッション(=強い達成感)、日本を守るレーダーとしてのバリュー、子々孫々に誇れるプライドによる強いコミットを生んだ例かもしれません。

さて、使命を感じるとまで言わずとも、ミッションを良しとし、そこに大きな価値を見出し、また誇りを持てるような事業やサービスと出会った時、人は最大のパフォーマンスを発揮できるのではないかと想像します。

たとえば、全くの私見ですが、優秀なエンジニアとMVPが紐付いた一つの事例として考えてよいのではないかと思わせる記事をご紹介します。
それは及川卓也氏がQiita(increments)へ転職した事情について触れられたものです。

及川氏はNHKの人気番組『プロフェッショナル 仕事の流儀』でも紹介されていますので、ご興味のある方は番組を見られたり、インターネット上で検索されると良いでしょう。

HRナビの「IT芸人が訊く、なぜ優秀なおっさんエンジニアを次々と採用できるんですか?(前編)」では、Incrementsの海野代表取締役が次のように語っています。

「大先輩にアドバイスをもらいにいく」くらいのノリで会いに行きました。そこで、及川さんに僕らの今後のビジョンや課題の話をしたら、とても共感してもらえて。日本のプログラマーの待遇改善や海外就業の支援など、やりたいことが一致していたのが大きかったですね。

またTechCrunchの記事『グーグルでChrome開発に関わった及川卓也氏が「Qiita」開発元Incrementsの14人目の社員に』では及川氏本人の言葉として以下のように伝えています。

「自分は何をやりたいのかをよく考えた。自分自身で起業することも含めて考えたし、グーグル卒業生にも相談した。その中で出てきたのは、自分がやりたいことはバーティカルなものではなくホリゾンタルなものだということ–中略–などエンジニアを元気付ける、支える活動に関わることは面白く感じていた。そういう方向性の『あること』をやりたい、と(Increments代表取締役の)海野(弘成)さんと話をしたら、考えていることがほとんど同じだった」。

また別の箇所では、以下のように答えています。

取材に同行したTechCrunch Japan編集長の西村賢がこう聞いた。「給料は上がりました、下がりました?」。及川氏はこう返す。「下がりました。でも、それは前職が良すぎたというべき。スタートアップとしては非常にがんばってもらいました」。そして、こう付け加えた。「お金じゃないと思っているんです。小さい組織じゃないとできないこと、ビビッドに製品の運命を左右するようなことをやりたい」。

『プロフェッショナル 仕事の流儀』が放送されたのは、2012年のことですが、その紹介ページ『挑まなければ得られない』にも以下のような記述があります。

40人以上のエンジニアを率いるリーダーとして、「世界を変える」ようなインパクトのあるものを常に志す。「世界を変えるとは、今までの仕組みを変えて新しい価値観を提供し、社会をより良くすること」と語る及川。その高い志がチームを鼓舞し、大きな成果を生むと信じている。

いかがでしょうか。及川氏の言葉から、私は先の仕事に対する指向性では、マイスターとしての気質を感じますし、4-Dシステムでは育成型(但し本来はもしかすると先見型)のように見受けられます。
また、バリューを感じ、プライドをもつことができるミッションを掲げたQiitaだからこそ、収入といった外発的動機が下がっても参画したように思われます。
そして、今後高い業績をあげていくことを期待できるのではないでしょうか。

こうした事例は非常に稀だと思いますし、むしろ、多くの業歴が浅いエンジニアは自己認識を得るための経験が充分ではなく、自身が適合するミッションが何かを考える機会もなく、自身の適正とは異なるミッションを持った企業で働いているのだろうと想像しています。

完全に一致するまではいかなくても、採用者の適するミッションと自社が掲げるミッションとの親和性を考慮するということはとても重要な評価軸の一つと考えています。

外発的動機と優秀なエンジニアの関係

これもまた経験上からの話で恐縮ですが、報酬や賞罰といった外発的な動機によってモチベーションを上げていくエンジニアを見た記憶はありませんし、あまり想像もできません。
よって、因数としては挙げますが、評価割合としては低い指標として扱います。

衛生要因に対するストレス管理

内発的動機やコミットメントが業績や成果に対するプラスの因子とすれば、衛生環境はマイナスの因子となります。

現代組織論からハーズバーグの二要因説の一部を引用させていただくと

賃金やさまざまの付加給付、作業条件、経営方針、上司や同僚、部下などとの人間関係などは低次の要因である衛生要因(hygiene factors)とされる。仕事そのものではなく、それの外にあるので外発的(extrinsic)な要因でもある。これらは、 なければ不満、しかし、あったとしてもまったく満足するに至るということはない。これらの欲求には限りがないということである。

ということで、外発的要因に含むべきものではありますが、報酬と作業条件・経営方針・上司や同僚・部下などとの人間関係を一つにくくってしまうことに個人的な抵抗感があったために、別としました。
ただし、これらは先に述べた4-Dシステムとも重複する内容とも言えます。

ではここで、何を指標としておきたいかというと、ストレス管理能力です。

一定のストレスや緊張感は生産性を高めるために必要と言われますが、過度なストレスは能力を阻害することはどなたもご存知かと思います。
一方で、高業績を求めるならば、現状よりも高い目標の達成を求めることにより、そのギャップは大きく、そこにはいくつもの解決が困難な課題が存在することは当然でしょう。
また、自身の思惑とは異なる結果や、不条理な現実と対峙することもしばしばあるはずです。

また急激な成長途上といった組織であれば、衛生要因による強いストレスを感じることも多いかもしれません。

このようなストレスに対し、単に耐性が高いというわけではなく、前述のコミットメントが高いために、ストレスをストレスとして感じないであったり、過去の経験によりストレスをコントロールする能力が高いなど、管理能力の程度を測るのは優秀な人材を判断することにおいて必須の条件であると考えます。

また、対処・対応の巧みさだけでなく、友人や家族といった周辺環境からのエンパワーメントや士気の再構築(宿屋でのHP回復?)といった支援得る能力や、自身が持つ個人規範によるタフネスといったことも評価軸として考慮が必要と考えています。

知識・技術習熟

ようやく、内部環境適合がおわりまして、これまで述べてきた指標よりわかりやすい知識体系、技術の話題に移行します。

この因数については構造化や体系化が長年に渡って行われており、組織論や人材に関する読書体験を通じて、新たに考察したことは特になく、経験上で業務に必要、知っていることで業務やプロジェクトの生産性が向上する評価軸についてまとめていきます。

まずは、知識・技術習得という因数をさらに分解し、普遍知識と局所知識に大別しています。
ビジネスパーソンとして普遍的に評価されるべきもの、専門職としてのエンジニアとして評価されるものを局所的なもとしてリストアップしました。

普遍知識と優秀な人材

普遍知識は3つの分類に分解しました。
それぞれ外部環境、内部環境、業務知識です。
これは、それぞれ組織と外部環境の関係に関する知識、組織それ自体の内部環境に関する知識、個人が組織と関与するための知識といった分類になります。
ただ、エンジニアリングの業務において常にその知識が必要かというと、そうでもないので、もしかすると優秀度とは別軸のスコアリングによって可視化していくべきことかもしれません。

ただ、ビジネスパーソンとして、日々の課題を見つけ、改善していくための技法や、チームビルディング、リーダーシップ、フォロワーシップ、説明能力、プレゼンテーションスキル、プロジェクトマネージメント、それらをワークするための様々なツールやフレームワークの知識など、協働の現場で当たり前に見に付けておくべきことは数多く存在するでしょう。
しかし、個業化しがちな職種だけに、それら一般的な知識の学習を個人として重視していなかったり、組織として重視していない場合もあるかもしれません。

大きな企業であれば、ポジションが上昇すると共に、外部研修を受けるといった体制があると思いますが、それさえもメンバーの時点で受けていくことが現代的な組織で求められる自律性を支援するでしょうし、単に個人的な生産性を追うのではない「優秀なエンジニア」の必須条件ではないかと考えています。

外部環境

冒頭でも述べたように、WEBエンジニアは境界担当者であるシステムを構築する人材でもありますから、外部環境への影響を把握し、適切な関係性を保つための基礎的な知識を当然として身に付けておくべきと考えます。
従来のCRM(Customer Relationship Management)、 CSR(Corporate Social Responsibility) に加え、最近ではポーター教授が提唱するCSV(Creating Shared Value)、そしてコンプライアンスやセキュリティといった外部環境とのかかわり合いについて意識を向けることが重要と思われます。
繰り返しになりますが、そのことによって、自身が構築・改修するプロダクトが生じている影響の先について想像力を働かし、経営者や事業責任者に届けるべき情報をいち速く察知したり、新たな機能の提案につなげたりすることが可能となると考えています。

内部環境

内部環境に対する知識とは、組織開発、組織デザイン、権限分掌(役割・権限・責任)の設計、従業員管理といった、組織運営に関する知識という捉え方をしています。

リーダー候補であれば、一度は組織開発とは何かと概要を知っているぐらいの取り組みがあってよいだろうと思います。
これまでご紹介できていない書籍で上げるなら『ODプラクショナーのための「組織開発ハンドブック」』『組織変革のビジョン』といった書籍が参考になるかもしれません。
またピーター・センゲの『学習する組織(learning organization)』という概念を学ぶのも良いと思うので、そのままのタイトルの『学習する組織――システム思考で未来を創造する』『最強組織の法則―新時代のチームワークとは何か』などはざっと読まれると良いと思います。

組織デザインについては今のところコレといった書籍には出会っていません。
また、どうもはっきりと体系化されていない分野のようにも思われます。
組織開発という領域自体が非常に広範でもありますが。

人材という観点では、『採用基準』、人材というより、P&Gの組織が参考になる『世界のどこでも通用する人材の条件』などは興味深く読ませていただきました。
またリーダーシップ開発では、『リーダーシップ開発ハンドブック』をご紹介しておきます。
その他、ファシリテーションや、近年のリーダーのあり方として提唱されている「サーバントリーダー」。最近は一般化してきたのではいかと思われるメンタリングやコーチングについても触れると良いのではないでしょうか。

ここまで学習しないでも良いのではないかという声を上げるエンジニアの方も多いかもしれません。
私としては、その時点で「優秀なエンジニア」からその方々を外そうと思います。
知識の習得に限界を置くような人物、新たな知識に好奇心を抱かないようでは、私見として、ドラッガーの言う知識労働者にあてはまらず、現代の経営者が求めるべき人材において「優秀」という冠を付けるには抵抗があります。

ただ、そうした考えを否定するわけではないことは前述したとおりです。
人がみな優秀でなければならないとなれば、息苦しい世界ですし、私の生存する場所が無くなりそうな気もします。
私自身、自社事業が立ち上がらないので、生活のためにエンジニアとして働く私にとっては、エンジニアがアイデンティティーでもありませんし、求められる技術力を少し上回るぐらいがあれば充分に業務はこなせるので、優秀なエンジニアを目指していません。
そもそも、人の多様性を否定する考えを私は持っていないということを書いておきます。

経営者としては、彼ら・彼女らを「一般的なエンジニア」として認識すべきであって、「優秀なエンジニア」とは別の存在であると認識するべきと考えるのみです。
多くの場合、チームの全員が優秀である必要も無いでしょう。
優秀な人材がリーダーとして存在してくれるなら、周囲に好影響を与えるということも起こります。

業務知識

業務知識という区分では、自己の業務の生産性や品質を上げるもの、物事の効率的な進め方、協働する一員として他のメンバーやチームに対する説明能力といった観点で分解しました。

まだ分解が不足しているとは思うのですが、このあたりは考察が不足している状態です。

経験上からぱっと思いついたのが、ロジカルシンキング、プレゼンテーション、PMBOKあたりはメンバーでも理解しておいてもらいたいなというところでした。

いろいろな開発現場があると思いますが、多くの現場ではコードレビューを行っていると思います。
どこかでえふしんさんがコードレビューという仕組みはマッチョだといったような発言をされていたように思うのですが、機能や設計レビューを割愛した状態でのコードレビューというものは非常にレビュアーに負担がかかるものと考えています。

現場によってはDFDやクラス図、ERDを示しながらまずは設計レビューで概要をまとめ、最終はコードレビューといった手順を踏むチームもあるかと思います。
開発方針や手法がいろいろあったとしても、そうしたプロセスが上流工程を整理し質の良いプロダクトに繋がると考えています。

このレビューの際に、簡潔にレビュアーに説明をする能力や、なにかしら要件の不明瞭さやコンフリクトがあるのであれば、それを適切に解消するためのコミュニケーション能力が必要なはずです。
また、そうした技術が低いと、説明不足や誤解のために上流工程が乱れて余計な工数が掛かったり、結果としてのプロダクト品質が低下することがままあると思われます。

それから、営業職の経験がある私としては、特にPMBOKの項目の中でも、ステークホルダー管理が苦手なエンジニアが多いという印象も持ちます。

私が経験した不動産売買の営業ですと、決済権者を早期に見極めて対処するといったことが重要であったりします。
たとえば、自己資金が豊富であるという顧客が居たとして、いろいろとヒアリングしてみると、実は建築士の資格を持つ父がいて、自己資金はそちらから出るもので、最終的に父親が物件を見て納得しないと購入を決められないといったケースがあります
こうしたケースで決済権者の存在を知らずに物件を紹介するなり資料を作るなりしても、最終の決定権を持っている人物とコミュニケーションしているわけではいので、結果的に全ての行為が無駄になる恐れがあります。

エンジニアがステークホルダーとのコミュニケーションを避けたり、説明の労力を放棄してしまう気持ちはエンジニア職を続けてきた身としてはとても理解ができるところではありますが、こうした労力に注力できなかった故に、進めていた機能仕様がひっくり返ってしまうということはまま起きることは一般的に見られる現象ではないかと思います。

最後に、ここで触れたプロジェクトやタスクを推進するための知識・技術に加え、要求者とのコミュニケーションを円滑にするために課題分析のフレームワークに通じていることにも必要性を感じます。
要求者の意図を理解し、より精度の高いヒアリングを行うためには、要求者が見ている世界を一緒に長め、同じ視点で語ることが効率的と考えます。

このような考えから、開発者向けというわけではありませんが、ビジネスフレームワークの初学者向けとして 『戦略プロフェッショナルが選んだフレームワーク115』をご紹介したいと思います。

PDCA、SWOT、バリューチェーン、ABC分析などといった有名なものから様々なフレームワークを簡潔に説明され、フレームワークの辞書、インデックスとして機能する書籍のように思います。
それぞれのフレームワークに興味が湧いた場合には、より詳細な解説の図書を読まれると良いのではないでしょうか。

全くの余談ですが、あるイベントの懇親会で本書の著者である丹生さんの隣に座りまして、いろいろと印象的なお話を聞かせていただきました。
私自身のテーマでもあるブランドという話題で、本田宗一郎がつくったブランドの3段階の深化というお話が特に印象に残っています。
また、私は以前にあるタイヤメーカーの公式WEBサイトのディレクションを請け負う制作会社でディレクションをさせていただいた経験があり、その企業と競合にあるタイヤメーカーの開発部門に丹生さんがおられたということで、そのことをきっかけに会話が弾んだ記憶があったりもします。
というわけで、本書に関しては少し個人的なレコメンドもあってご紹介させていただきました。

普遍知識まとめ

これらの評価軸については、個々の技術に対する知識の深さというよりも、これら知識やスキルに対してどれほど積極的に学習しようとしているかといったマインドセットを一つの評価軸として捉えることが重要かもしれないと考えています。
業務の中で必要なタイミングに深く知識を掘り下げればよく、そうした機会が訪れた際に、学習する準備が整っているかどうかを測りたいと思います。

これは、情報にリーチするインデックスをどれだけ抱えているか、たとえば、採用者を検索エンジンとみなした場合に、そこそこでも良いから、キーワードに検索した回答を返すか、全く検索ヒットしないかという観点であったり、エンジニアとしてこれらの知識や技術に対して必要性をどれはど認識しているのかといった軸で評価するというものです。

局所知識

局所知識はチームが必要とする知識・技術に対してどれだけの習熟度があるかを測る因数となります。

たとえば、LAMP(Linux Apache MySQL PHP)環境で作業するPHPプログラマーということであれば、通常の業務では、PHPという言語の習熟度と、ソフトウェアエンジニアニングに関する知識が主の評価軸となろうかと思います。
ただ、協働しているメンバーの仕事内容について想像がついたほうがチームの総体としての生産性には寄与すると思いますので、PHP以外にも、チームが導入している技術への理解度といったものも補足的な評価になろうかと思います。

例えば、サッカーで考えると、周囲のメンバーの動きを見ながら、自身が最適なポジショニングをするということを当たり前に選手たちは行っています。
組織の目標である、ゴール、勝利に向かって、自身の一般的な役割をこなすだけでなく、時には本来のポジションを超えて前線に駆け上がって攻撃参加したり、また逆に自ゴールまで戻ってチーム活動を補うといったことは、「優秀なエンジニア」であれば、当然期待したい要素ではないでしょうか。
それぞれのポジションを既に経験していたり、予め深く理解していれば、協働性を高めチームの勝利、最終的な総体としての生産性や品質向上に貢献するように想像されますし、高いスコアとなるでしょう。

開発チームが常に安定して稼働するとは限りませんので、メンバーと言えど適切にリーダーシップを発揮して行動するためには、共同するメンバーの状況を理解し、補うためにチームが導入している技術に対する基本的な理解というものも評価軸になろうかと思います。

3.EQとIQの測定と優秀さの評価

「優秀なエンジニア」を形作る要素として、最後にEQとIQに触れたいと思います。

優秀度を算出する式の中でも、合計でスコア全体の60%を占めるEQとIQは非常に重要な指標です。
ただ、現状では、これを数値化する有効な方法は思いつきません。
EQの提唱者であるダニエル・ゴールマン博士が提示するアセスメント手法が存在すれば一番ですが、まだ深くは探していません。
また、WEB上でEQテストを謳っているものが多数あるようですが、信頼性については不確かです。

可能性を感じているのは、本人の自己申告と、360度フィードバックを組み合わせたスコアリングですが、これも様々課題があり、まだ考察の手前というところです。

なんとなく持っている現状のイメージだけ説明させていただくと、以下のようになります。

まず、面接者をスコアリングするというミッションがあったとします。
この際、事前に社内でEQが高いだろうコアメンバーを選出しておきます。
これは、何事もレベルというものは、自分より下位は判定できても、上位を図ることが出来ないからです。

そして納得が行くまで自己申告スコアと、お互いのスコアリングをすりあわせます。
次に、コアメンバーのスコアを基準にしながら、社内の人材の面談やメンバーの360度フィードバックを繰り返し、最終的に自社の従業員をコアメンバーでスコアリングを行っていきます。

この作業により、コアメンバーがEQという指標について、暗黙的な基準を形成していおます。
これが出来たところで、面接者の自己申告スコアと、面接官としてコアメンバーが付けたスコアを比較しながら、スコアリングを付けていくというものです。

いわば、「社内の相場感」というものを自社の中に形成していくことで、面接者をスコアリングする指標を持つという考えです。
もちろん、それは絶対的な指標ではなく、有用性も不明ですから、あくまでも参考情報としてのスコアリングにはなろうかと思います。

少し脱線しますが、今から十年ほど前に、株式会社はてなでは360度評価を一時期導入したというニュースがありました。
現在は既に360度評価はされていないようですが、『なめらかな社会とその敵』の著者であり、2002年度にはIPAの「未踏ソフトウェア創造事業」に採択、同年度の天才プログラマー/スーパークリエータに認定され、現スマートニュース株式会社代表取締役会長、共同CEOでもある鈴木健氏が主導したようで、『「できる人」の見る目を重視 平等より納得感追求』とあるこちらの記事の行方が個人的には非常に気になっています。
はてな、「360度評価」で独自の人事査定 経営・人事22面

その他、既に存在しませんが、氏が代表を務めいてた株式会社サルガッソーのWEBサイトのトップでは「わたしたちのミッションはソフトウェアとサービスの提供を通じて、文明とライフスタイルをデザインすることです」と書かれており、すごい人だなーと感じたことが懐かしく、スマートニュースもそこそこに、文明とライフスタイルのデザインをする世界に戻ってきてもらえないだろうかと思っていたりもします。

本筋に戻って、IQについてですが、こちらはEQと異なり、様々なテストが存在しますが、これもまた、現状では「社内の相場感」を形成していくこと以上のアイディアはありません。
(と、最後は息絶え気味となりました)

「優秀なエンジニア」とは何者かについてのまとめ

これまで述べた「優秀なエンジニア」を一言で表現するならそれは、「事業成長の源泉」です。

2016年の年末に考え始め、私なりに紐解いた優秀なエンジニアの因数分解らしきものについて現状での考察は以上です。

もし、ここまでお読み頂いたのであれば非常に嬉しく思います。
また読まれた方が、私と直接に関わりの無い方であれば、更にに嬉しく思います。
感謝ターキー!感謝ターキー!
(詳しくは、ゴールデンエックスを御覧ください)

拙い文章におつきあいいただきありがとうございました。
冷静に振り返って、これら評価軸だけで優秀というものを判断可能とするのは不十分な気もしています。

ただ、採用担当者が面接時に意識する項目として頭の片隅に置いて質問の参考にするぐらいの価値はあるかもしれません。
まずはこれをベースに少しずつトライ&エラーを繰り返してスコアリング化、システム化を試ろみたいと思います。

また、自社との相性は、自社の自己認識・自己評価が当然必須になりますから、受け入れ側が自社をアセスメントし、組織づくりを意識することも重要となります。

優秀なエンジニアを採用できるのは優秀な企業ということなのかもしれません。

そして「優秀なエンジニア」を越えて、HRサービスの未来に思うこと

近年の人材採用におけるマッチングサービスではリファラル採用や、スカウターといった、応募者と近い関係の人物が推薦(第3者によるブランディング)を行うサービスが生まれています。
しかし、個人的にはこうしたサービスが主流化していくイメージが湧きません。
ダイレクトリクルーティングという言葉をよく聞きますが、いずれにしても、採用市場というものが多方面でクローズドな印象があります。

逆にオープンな人材市場をイメージすると、サッカー選手が思い浮かびます。
例えばサッカー選手を考えた場合、フィールドでの活躍は誰でもみることができ、業績評価もしやすく、透過的で報酬の相場も形作りやすいように思います。
それぞれのチームの風土も見やすいように思いますし、全世界から人材を探せるものでもあります。
そうすると採用される側も採用側も報酬面での納得がしやすかったり、チームとの相性といったものもより高い適合を期待できるのかもしれません。

私には、今ある人材紹介サービスというものは、採用者側の要求に寄せたもののように思えます。
紹介手数料が採用側から発生するので、それは当然なのかもしれませんが、そうした考えを主とした既存の仕組みでは、多様化や、人口不足による労働者数が減少する日本社会の中で、以前より不足と言われるIT人材を確保するのが難しいのではないかと考えたりもします。
市場は売り手市場に加速するのであって、だからこそ、企業視点ではなく、エンジニア視点で、より効率的、低コストで転職が可能となる人材紹介サービスが求められているのではないかと考えています。

馬鹿げた話かもしれませんが、企業が持つ人材情報、業績やプロセスの評価をオープンにしてしまったら面白いのにと考えます。
先にあげたサッカーのように、企業同士の人材が見える化するというものです。
インターネットの普及と共に、オープンソースの普及や、情報をシェアするという文化が芽吹いてきました。
そうした時流の中で、社会の生産性を上げていくために、社会の資産である人材情報を共有化し、最適化を進めるぐらいのイノベーションが起こってもよいのではないかとイメージを膨らませてしまいます。

全ての人材情報をオープンにするのではなく、3年契約性の社員のみ情報を公開したりするとより良いかもしれません。
常にキャリアアップしたいのだというエンジニアは、転職のためにgithubに自身のコードを公開したり、何かしら自身をブランディングするためのブログやサービスを利用する必要はなく、ただ、社内の仕事で能力を発揮し、優れた成果を出して評価されれば良いというものです。

また別の確度で、人材紹介を仲介業と捉えると、もっと企業の自己認識、組織開発を促すすべきと考えたりもします。

私は不動産仲介として売り主と買い主をつなぐ仕事をしていましたが、ただマッチングすれば良いというわけではなく、それぞれのクライアントに市況を説明したり、クライアント自身の優先度を明確にするための支援を行うということをしていました。
表現は悪いかもしれませんが、顧客を教育するということも仕事でした。

例えば、極端な例で言うと、新婚のご夫婦に希望の戸建てを聞くと、「丘の上に立つ白い2階建ての家」という答えが帰ってくるようなこともありますが、都内で言えば、まずありえません。
ありえませんので、いろいろな物件を紹介し、現地に案内し、市場感を捉えてもらいます。
その後、複数の物件を比較しながら、譲れる条件、譲れない条件、将来の家族計画などをイメージしてもらい、自分たちが求めている条件を明確にしてもらいます。
売り主にも同じように寄り添い、場合によってはリフォームを進めたりもします。

これを人材紹介で例えれば、採用を考えている企業の組織やチーム、組織風土をアセスメントして、どのような人材像がその企業に必要で適合するのかを導いたり、その人物像であれば、相場観がこのぐらいといったことを伝えるということかと思います。
エンジニアに対しては市場感を伝え、不足している能力や技術があるのなら、それらを研鑽するように指導するといったところでしょうか。

これは、組織開発コンサルト企業と人材紹介企業を合体させてしまうイメージです。
これこそ、HR部門の究極のアウトソーシングの形ではないかと、今回組織開発の書籍を読みながら思いつきました。
ただ、これが既存の会社が提携するだけだと、非常に高価なサービスになると思うので、人材や企業のアセスメントをシステムで提供することでコストを抑えていかなければ中小企業には利用しづらいサービスだろうと思います。

いずれにしても、ここ10年の中で、日本でのエンジニアの価値は上がっていくように思いますし、優秀なエンジニアを抱えられない企業はグロースしない気がしています。
故に、HRサービスでは何かしら破壊的なイノベーションが起こっていくのではないかと期待しています。

5. これを書いた人

えーと、これを書きましたのは、田町のゆるキャラと家庭内では呼ばれております、です。
(´・ω・`)
特に優秀なエンジニアといわけではありません。
githubに置いてあるコードとか、ひどいっすね。
なので、リンクはしません。
倉庫代わりにgithubを利用しています。

訪問看護ステーション向けのASPを開発した際に、ITが苦手な看護師さん向けにどのような方針で、より継続絵的に使いやすいように設計したかという内容を『訪問看護アセスメント・プロトコル―生命・生活の両面から捉える』という書籍で巻末付録を書かさせてもらったぐらいが、公で言えるこれまでの成果なのですが、残念ながら付録だと著者扱いじゃないんで、名前が出ないんだな!!
要件定義から何から何まで大変でしたのに。
(´・ω・`)

現在はオトナデザイン株式会社というところの取締役をやってます。
ただ、まぁ普段はWebエンジニアとして生活労働しております。

人の可視化というキーワードがあったと思いますが、人の流動性を高め、人々の良い出会いを生み、持続的社会の発展を願うオトナをデザインするシステムを開発するというのが、弊社のミッションであります。

まー、設立以来3年になりますが、なーんも出来ていませんがー。
(๑´ڡ`๑)てへぺろー。

単純に、人類の大部分がオトナになって、お互いを受け入れ、持続的な社会を目指したら、安心・安全な世界、戦争も紛争も無い世界を作れんじゃね?1000年後ぐらいにはそうなれるように努力したいよねー、という考えであります。
だいたい、将来はなんかよくしらんけど、AIがなんでもしてくれちゃううんでしょ?もう生活のために労働しなくてもいいんだよね?とかぽかんと考えております。

ま、でもね、どんなに技術が進歩して、社会システムが進歩しても、人類のマインドセットが向上しなくちゃ、安心・安全な世界なんてできないし、それが本当に世界を変えるっていうことなんだと思うわけですよ。
組織だってね、結局、人の総体だから、人が変わらないと組織は変わらないって、どっかの組織開発の本に書いてありましたよ。
だから、組織も国も世界も、黙っていても新生児が成人するまでに多様性を持ちつつも、持続的社会の発展を願う人物に仕上がるようなシステムが必要なんじゃないかと。

と、先のことはいいとして、目の前ではどっかの社外取締役にでもなれないかなーと儚い夢を見つつ、これを書いてました。
まぁ、一般的には社外取締役というと、上場企業の役員を経験した人なんだと思いますが、なんかお飾りも多いらしいですよ。
お飾りのくせに、なんかいろいろ口出ししてめんどうということもあるらしいですよ。

あー、自分はそういうのしないっつーか、気が利くので大丈夫っす。大丈夫っす。
大丈夫っすよー!!!

エンジニア組織に限ったコンサル業、チームビルディングといった業務もやりたいですし、そうした業務を支援するシステムの開発と導入をしたいのですが、コンサル契約するより、社外取締役にならせてもらって、ぐりぐり出来たら楽しいのになーと思ったりします。

ここで紹介した4-Dシステムというのもすごく興味があって、実はチャールズ・J・ペレリン氏とはLinkedInでつながっていたりするんです。
このシステム、ローカライズして日本語版とかを追加させてもらいたいんですけどもねー。誰か一緒にやりませんかーという。
あ、違った、誰かお金くださいだ。

昨年は、フリーランスを可視化してブランディングするというサービスを構築していて、下準備は整ったのですが、コアになる標準化した評価軸が出来上がらなくて、停滞してたんですが、今回のアイディをもとにシステムを乗っけようと思います。
フリーランスは顧客の評価とか出すのは重要ですからねー。
手伝ってくれる方を募集してまーす。

社員も募集してまーす。但し、初月から、私の倍以上の売上を上げられる方のみでーす!!

いずれにしても、来季は労働集約型の売上配分を少なくしていきたいですのー。

というわけで、ここまで読んだあなたは私の奥さんか、奇特な方です。
どっちにしろラブですわ。
(๑˃̵ᴗ˂̵)و

シェアしてくれたら、もっとラブなんだからね!

ついでに、人の可視化についてまとめた過去の資料も置いとくぞっと。

「個人事業主文化祭’2013秋」発表用資料 – 人の可視化とソーシャルブランディングというアイディアです

Appendix

1+1が2であることを、数学的に証明することができる人はほとんど居ないと思います。
しかし、1+1が2であることを大半の人が答えられると思います。

今回、4-Dシステムというものを知り、これはもしかして、認知バイアスを形成していく気質を表しているのではないかと想像しました。
人は意識下の概念がある気質や条件によって、無意識下にパターン認識、直観として形成され、認知と認識を繰り返しながら意識的な行動につながるのではないだろうかというイメージを持ちました。

こちらについては、認識としてのコスモポリタンがやがて直観に結びつくであったり、暗黙的な体験知が直観に結びつくであったり、その人物の行動を予測する上で、様々な視点で本稿に盛り込みたかったのですが、整理がつかずに本文にふくむことが出来ませんでした。
ミラーニューロンの話題も盛り込みたかったのですが、断念しまして、現在の仮設だけ図として残します。

認知心理学のモデルもざっくりと見たのですが、どうもしっくりと来なかったので、オリジナルのものです。
いつかまた考えてみたいと思います。

バイビー(* ̄▽ ̄)ノ~~

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